サイト内
ウェブ

小型化&性能アップでAlienwareのゲーミングノートは使い心地満点

  • 2024年4月23日
  • Gizmodo Japan

小型化&性能アップでAlienwareのゲーミングノートは使い心地満点
ちっちゃくなって新登場。バックパックのスリーブにも無理なく入るサイズ感がうれしい
Photo: Kyle Barr / Gizmodo US

価格以上の性能。それでいてコンパクト。

16インチのゲーミングノートPC「Alienware m16 R2」を触ってみたんですけど、処理性能を落とすことなく、当初目指した小型化に成功していて、ものすごく使い勝手が良くなっています。

バッテリーもタフなので、だいたいのゲームは設定「High」でも十分なフレームレートでプレイできちゃう。

なにしろ簡単に使えるので、普段使いのPCとしてもいけそうですよ。

Alienware m16 R2

これは何?

Alienware最新の16インチのゲーミングノートPC

価格

24万9980円(米市場は1,550ドル)〜

※レビュー機は1,850ドルの構成

好きなところ

・毎日持ち歩きたくなるサイズ感

・ほぼすべてのゲームの使用に耐える処理性能

・手にやわしいパームレスト、キーボード、トラックパッド

好きじゃないところ

・明るすぎないスクリーン

・バッテリー持ち。オフのゲーム用には十分でも、日中の仕事用にはもう少し欲しいかも

虜になる快適性

Alienwareがデザインを一新したm16 R2。結論から言うと、とても気に入ってます。

中価格とは思えない処理性能。

きれいな240Hzのディスプレイ。

ゲーミングPC最上位とまでいかないまでも、この種のノートPCではかなりいいキーボード。

いいところを挙げたらキリないけど、自分がここまで気に入った理由はそこではなくて、ずばりパームレストにあります。無駄に高級過ぎなくて手になじむし、ツルツル滑らないマットなところも好き。ほか全部が「中の上」程度でも、ついお勧めしたくなるのは、こういう快適性のおかげなのかなと思います。

Alienwareといえば、なんでも先取りしてきたブランドイメージですよね。RGBのバックライトもそうだったし、未来的デザインもそうでした。でも、最近は奇をてらうより、機能性に割と力を入れています。そのいい例が、シンプルなミニタワーに生まれ変わったデスクトップの「Aurora R16」でした。

シンプルボディになったAurora R16。性能はちゃんとAlienwareだった DELLが昨年発表したゲーミングデスクトップPC「Alienware Aurora R16」。これまでの宇宙から帰ってきたような特徴的なデザインから、シンプルなミニタワーへと変貌を遂げました。こうしたデザインや性能を含め、米GizmodoのKyle Barr記者がAlienware Aurora R16のレビューをしています。以下Barr記者のレビューをどうぞ! Alienware Aurora https://www.gizmodo.jp/2024/03/alienware-aurora-r16-review.html

今回のAlienware m16 R2でも、Aurora R16で示された次世代のデザイン哲学(「Legend 3」という)は生かされていて、2023年モデルの「M16」で後ろに突き出ていた 「サーマルシェルフ」を一掃。これで奥行きを3〜4cmカットしました。なのにエアフローはむしろ向上してるのだとか。

これだけコンパクトだと、ゲーミングPCではあるのだけど、家にどっかり置きっぱなしではなくて、気軽に持ち出せますね。

考えてみれば、せっかくウン十万円も払って買うのだから、ポータビリティも少しは努力してほしいし、ゲームのみならず、仕事でもキレイな画面と高い処理性能を楽しみたいところ。その点、m16 R2は普段用にも使えそうなところがポイント高いです。

これより大きかったら大きすぎるし、ギリギリを狙ってる感じ。バッテリー駆動時間は全力ではなくて、もっとがんばれそうな気もしますが、どこにでも持っていってる自分がちゃんと頭に浮かびます。

新デザインも悪くなくて、背面の「16」と高速回転のファン音を除けば、ゲーミングPC感は比較的抑えめ。キーボードのRGB LEDライトが恥ずかしい人のために「ステルスモード」なるものもできました。ファンクションキーのF2キーを押せば、バックライトが落ち着いた白に変わって静音モードに早変わり。ファン音が静かになるほか、バッテリーの節約にもなります。

RTX 4090の処理で熱がこもらないようサーマルシェルフを残したAlienware m18 R2もまだ買えます。選択の幅が広がりますね(どっちの処理性能が上かは比べてないのでわかりません)。

デザインと冷却性能

熱くなるの? Photo: Kyle Barr / Gizmodo US

新デザインではサーマルシェルフが消えたおかげで、バックパックのPC用スペースにやっと入るようになりました。

スクリーンは後ろに90度傾けられます。

旧モデルよりフットプリントが15%は減ったけど、軽量スリムってほどじゃなくて、重さは2.6kgあります。厚さも一番厚い背面近くで25mmもあって、Razer最上位の16インチのゲーミングPC「Razer Blade 16」と数ミリしか違いません(幅と奥行きもx16 R2のほうがある)。

ロゴから中身まで、本当にAlienwareらしいPCです。カバーにデカく「16」が入ったのは、どうかな?ないほうがいいんじゃ…と内心思ってしまいましたけどね。あと、少し薄っぺらでプラスチックみたいに感じなくもないかな。でもまあ、フレームはすべてアノダイズ処理のアルミ素材なので、指紋が付きにくくなっています。

さすがDELL(デル)のAlienwareブランドだなと思ったのは、キーボードとトラックパッドです。前述のように、ツルツルしすぎなくて、快適そのもの。手のひらを置くスペースもたっぷりあります。トラックパッドも、最近試したほかの機種は大きすぎたり小さすぎたりが多かったけど、ちょうどいいサイズなんです。

静音モードのときには普通のノートPCみたいになるのが物足りなくはあります。画面下の六角形のスピーカーグリッドやAlienwareのロゴがあるので、ゲーミングPCなのはわかるけど、自分はもうちょっと派手めが好みです。

あ、それとさっき書き忘れたけど、m16 R2のパームレストは中がしっかりしてて、手を置いたときヘンに曲がらないのも好きなポイントです。

トラックパッドとキーボードに関しては、自分が使ったゲーミングノートPCでベストです。キートラベルは1.8mm。確かなクリック感。メカニカルキーボード好きが満足できるほどじゃないにしても、デスクトップPCのキーボードみたいだなと思いました。

これを凌ぐものとなると、最近ではAsusのROG Zephyrus G14ぐらいしか思い浮かびませんが、差は微々たるものです。

放熱構造は一から再考しました。サーマルシェルフ付きの旧モデル並みの冷却性能を実現したそうですが、専用の冷却ユニットがないということになると、いくらスマートエンジニアリングで攻めても、エアフローや冷却、ある程度は性能にも影響は出てしまうのではないでしょうか。

ボトムから空気を吸って、後ろと横から熱を逃がす構造ですので、高負荷時にはデスクに熱風が撒き散らされそう。実際、ゲームを何時間かやったら手がポカポカし始めました。不快ってほどではありませんけどね。デスクの辺りも普段より暑く感じました。高負荷状態で温度を計ったら裏の通風口は49℃、サイドの通風口で44℃、キーボードの指を置くところは38℃前後でした(指を置くところに熱風がたまらない構造なのに)。

気になるゲームの処理性能にも影響は出ます。『Warhammer 40K: Darktide』みたいな負荷のかかるゲームをしながら、レイトレーシングの設定を上げようとしたら、スロットリングが少々見られましたし、高負荷時には平均90FPSが60FPS以下に下がる場合も。 RTX 4070で処理できる限界に挑戦したいときには、覚えておいた方が良さそうです。

あ、あと、通風口のせいでポート類が端っこに寄せられているのには少しがっかりです。背面は充電用のポート、Thunderbolt 4 USB-Cのポートが2つ。サイドはUSB Type-A、micro-SDカード用のスロットとイーサネットのポート。後ろに手を回さなくてもUSB-C端子を挿し込めたらなあ、と思ってしまいました。m16 R2を動画・写真編集のメインPCとして使うとすれば、欲しいのはmini-SDじゃなくフルSDカード用のスロットですし。普段使いのPC的には十分なレイアウトですが、まだ完璧とは呼べません。

画面とウェブカメラ

240Hzは最高だけど、明るさは今ひとつ Photo: Kyle Barr / Gizmodo US

Alienwareは市場に出回るなかで最高のスクリーンでも、一番明るいスクリーンでもなく、「高設定のゲーマーが求める最低限の要件を満たすスクリーン」を敢えて採用しました。

16インチのIPS液晶は、ワイドなQHD+(2560×1600)。

一番のPRポイントは、高設定で最高の精度が要求される全ゲームに対応しうる「リフレッシュレート240Hz」を実現したことです。液晶の反応速度は3msec。Nvidia G-Syncにも対応しています。

Alienwareが発表しているピーク輝度は300ニト。編集部のテストでは315ニト前後だったので、少し低めにサバ読んでる感じですけど、いずれにしても市場で一番の明るさではありません。反射予防のコーティングが施されていることはいるのですが、ゲームの映像を存分に楽しみたいなら、明るさは上げたくなります。照明がない場所では特に。バッテリーには良くないけど、自分は明るさをMAXまで上げてプレイしてました。

240Hzのリフレッシュレートを除けば、この価格でこの画面は、かなりベーシックだと言わざるを得ません。miniLEDにもOLEDにも太刀打ちできないので、m16 R2の確かな処理性能でゲームはサクサクでも、ほかのもっと進化した画面種別ほどコントラストが高くなかったりします。

メインのPCとして使う人のために付記しておくと、Webカメラも市場で出回るPCのなかで最高ではありません。1920×1080のフルHDカメラではあるのですが、ビデオコールのとき顔の映りが冴えなくて、ちょっと暗いだけで映りが悪くなるのです。オフィスの平均的な照明でも、粗い映像になってしまいました。

処理性能と接続性

ほぼすべてのゲームを最高の環境でプレイできる Photo: Kyle Barr / Gizmodo US

レビュー機はNVIDIA GeForce RTX 4070とIntel Core Ultra 7 155H搭載、RAM16GB、SSD1TB以上で価格は約1,850ドル。いろいろ書いてきましたが、性能については本当に文句のつけようがありません。フルにRTX 4090までアップグレードはできないけど、ほとんどのゲームは十分以上のフレームレートでできました。これはNVIDIAのDLSSのなせる業でもあります。

Intel Core Ultra 7 155Hについては、もう今年に入ってベンチマークテストを腐るほどやってきたので、もう驚きでもなんでもないんですが、GeekbenchとCinebenchのベンチ結果は、シングルコアもマルチコアも高スコアでした。

まあ、1,700ドルのAcer Predator Helios Neo 16 (Intel Core i7 14700HX搭載)からトップの座を奪うほどではなかったけど。

…と思ったら、3D Markをはじめとするグラフィクス系のベンチではタイでした。GPUが同じですからね(RTX 4070 8GB GDDR6)。BlenderのベンチではCPU依存とGPU依存でレンダリング速度を計測したのですが、Alienware m16 R2はAcer Predator Helios Neoよりわずか数秒遅れる程度でした。Acerはサーマルシェルフ付きなので、奥行きがm16より1インチ以上長め。それでこれだけ僅差なら立派なもんです。

グラフィクスが重いレイトレーシング対応のゲーム(『サイバーパンク 2077』など)では、DLSS駆動で約70FPSまで上げられますが、DLSS抜きだとすべての高設定においてプレイ可能な水準までフレームレートを上げづらくなります。逆に『Horizon: Forbidden West』みたいなタイトルでは、最高設定でも余裕で90FPSまで上げられます。

『Warhammer 40K: Darktide』のようなゲームでは、レイトレーシングを使うシーンでは落ちますが、プレイ中に80FPS近くまで簡単にいきます。それもDLSSがONの初期設定のまま使ってる場合の話であって、OFFにするとたちまち30FPSまで落ち込んじゃいます。まあ、『Suicide Squad: Kill the Justice League』のようなゲームではそこまで極端な変化は見られなくて、ゲームプレイ中は常時80FPS前後という感じ。DLSSをOFFにしても、落ち込みは微々たるものでした。

好みのゲームを高設定でやっても不具合らしい不具合は感じられないノートです。

接続性もバッチリです。WiFi 7とBluetooth 5.4に対応しているほか、レイテンシーを極力抑えたい人のために有線のイーサネット専用ポートも備えています。

バッテリー持ち

ゲーミングPCとしては合格だけど、日中ずっとは持たない Photo: Kyle Barr / Gizmodo US

Alienware m16 R2のバッテリーはドーンと90WHr。こんなに小型化したボディのどこにそんな…とビックリです。

ステルスモードが加わっても基本ゲーミングノートPCですので、丸1日もつバッテリーではありません。省電力モードで使っても、8時間勤務の終業前に充電は必要。F2キーを押すと一発でステルスモードの白いバックライトになって一般のPCと見分けつかなくなりますが、無茶苦茶省エネになるかというと、それほどでもなく、3時間くらいで残量が100%から54%になりました。そのまま続いて電池マークが赤に変わったのは、6時間後くらい。

普通に使うともっと減りは早いです。画面の明るさを上げて使ったら、2時間ほどで60%ぐらいまで落ちました。もっと暗くすればバッテリーはセーブできますけどね。

まあ、ゲーミングノートPCとしては全然遜色ない数字ですが、もっと小型の仕事用ノート(Dell XPS 14など)みたいに丸1日持つことは期待できないので、日中使う用に購入を考えている人はその点も留意しましょう。

こんなに心地いいゲーミングノートはそうないよ

Photo: Kyle Barr / Gizmodo US

リデザインでAlienwareが実現したのは、ゲーミングノートをポータブルにする当初の目的を遂げることです。小型にすると熱をどう逃がすかが課題ですが、その点は冷却構造の見直しで対応しました。重すぎることもなくて、大きすぎることもありません。タスクは粛々とこなし、Alienwareらしい遊び心あるデザインも失われていません。

これだけいい条件が揃ったら、普通は手放しでおススメといくところですが、一応念のため、類似の価格帯のノートPCも見て回ったほうがいいでしょう。Alienwareがほかより優れているのは、使って心地よいマシン作り。六角形の冷却ファンやエイリアンの光るロゴより、自分はそっちが気に入りました。ほかのノートも全部、m16 R2みたいなキーボードとパームレストだったらな、と思っちゃうぐらい。

レビュワーの仕事柄、レビューが終わると、はい次、という感じで、す〜ぐほかの製品に乗り換えなきゃならない宿命なんですけど、ちっちゃくなったAlienwareはもっともっと長く使っていたいPCです。自分なりにこれが最上の褒め言葉。

目的別に選んでみた。現時点で手に入れるべきゲーミングノートはこれ 目的・予算別に集めた現時点のゲーミングノートPCのベストバイ。 https://www.gizmodo.jp/2024/04/gaming-laptop-buyers-guide-2024.html

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
copyright 2024 (C) mediagene, Inc. All Rights Reserved.