Threadsに入らなくても、Threadsが見えるように。
先日Metaのマーク・ザッカーバーグCEOが「フェディバース」上に初めてポストしました。
「フェディバース」とはソーシャルメディアの新しいコンセプトで、Meta傘下のThreadsがそこに加わったんです。Threadsユーザーは「フェディバース」に強制参加させられるわけじゃなく、各ユーザーが参加するかどうか自分で選べます…って、そもそもフェディバースって何なんでしょうか?
フェディバースとは、Metaの解説によると「相互接続されたサーバーによるソーシャルネットワーク」だとあります。「各サーバーは独立したプラットフォームで、それぞれのユーザーとコンテンツ、ルールがあります。ユーザーは自分の好きなサーバーを選びつつ、違うサーバーにいる人をフォローして、彼らのコンテンツとやりとりできます」と。
各アプリが惑星だとしたら、フェディバースは太陽系みたいなものです。それぞれの惑星にはアンテナがあって、異なるSNS同士でコミュニケーションが取れるんです。今のところThreadsとMastodonがフェディバースの2大アプリですが、もっと小規模なものも多く参加してます。
フェディバースでのシェアを有効にしてThreadsにポストすると、Mastodonなどフェディバース内の他のアプリでもそのポストが見られます。Mastodonユーザーがそのポストを「いいね」すれば、Threads上でそのいいねが見られます。つまり、アプリを超えたやりとりができるわけです。
この考え方を広げると、例えばFacebook上でTikTokにいいねするとか、Instagram上でXのポストにいいねするといったことができるわけです。ただこれらの大手アプリは、今のところフェディバースには参加してません。またThreadsも、他のアプリからThreadsが見えていいねできるってだけなので、完全には統合されていません。
それでもThreadsという、TwitterやFacebookの代替として作られたアプリがフェディバースに参加したことには、大きな意味があります。
とはいえ、フェディバースのWebサイトによれば、フェディバースに参加しているアカウント数はまだ1300万人ちょっとにしかなりません。ちなみに今までフェディバースの中で一番大きかったMastodonの登録者数は、Statistaによれば1000万人くらいです。
フェディバースは2000年代、その当時もすでに分断されていたソーシャルメディアをつなぐために立ち上がりました。フェディバースはよく「脱中央集権的なソーシャルネットワーキングプロトコル」と呼ばれ、インターネットをよりよく「つなぐ」ことを目標としています。
ただしThreadsとMastodon以外のフェディバースの参加アプリは、 Friendica、Lemmy、PeerTube、Pleroma、Funkwhaleなどなど、失礼ながら聞いたことないようなアプリばかりです。
でも、これらに定着してる人にとっては、ニッチだからこそ居心地が良いみたい気分もあります。アプリの空気感にはそれぞれ独特なものがあるんですが、その空気を1つにつないで大丈夫なんでしょうか?
で、現状は小規模なソーシャルメディアしかいないフェディバースに、1億3000万ユーザーを抱えるThreadsが参加するのはなぜなんでしょうか?
ザッカーバーグ氏は、(たぶんフェディバースには参加しないであろう)イーロン・マスク氏のXに対抗するアプリのつながりを強化したいのかもしれません。またはフェディバースを使って、Threadsを見る人を少しでも増やそうとしてるのかもしれません。
Metaの狙いが何であれ、Threadsが入ることでフェディバースは劇的に大きくなるはずです。フェディバースはインターネットをその原点に戻そうとしていますが、Metaのサポートがあればそれも可能になるかもしれません。
ただ、ザッカーバーグ氏には、鳴り物入りのアイデアが不発に終わりつつある「メタバース」みたいな前科もあります。フェディバースがメタバースと同じ道をたどってしまう可能性も、否定はできません。
Facebookがニュース機能を終了。ザッカーバーグ「みんな見てない」 そんなにニュース読む人っていないのかな?Facebookは4月にアメリカとオーストラリアのユーザー向けにニュースタブを廃止する計画と発表しました。この決断の意味するところとは...。ニュースを読むためにFacebookを使ってほしくないってことですかね。いろんな国でニュース機能を廃止2024年4月初旬、Facebookのブックマークセクションにあるニュース専用のタブFacebook Newsをア https://www.gizmodo.jp/2024/03/facebook-twists-the-knife-in-the-news-industrys-back-jp.html