スマートリング市場変革の前兆になるか。
昨今じわじわと広がりを見せるスマートリングですが、満を持してSamsung(サムスン)がモバイル機器見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)2024」にてGalaxy Ring(ギャラクシーリング)をお披露目しました。
Samsungのスマートリング参入によってヘルスケア分野のプレイヤーたちにも影響を与えそうです。現在3強のヘルスケア領域ですが、Appleの「ヘルスケア」、Googleの「Google Fit」、そしてSamsungの「Samsung Health」が全体を牽引しています。
Appleは周期記録や服薬記録をはじめ、心と身体の健康にフォーカスした日常の記録をすべて網羅する方向へ、Googleはフィットネス目標達成に向けたコーチとしての役割、Samsungは心拍や血中酸素などから睡眠、いびきの検出へと舵を切り、三者三様のアップデートを続けています。
ここでまずデバイス開発に動き出すと予測するのはApple。健康についての全領域をカバーするAppleのヘルスケアは、健康すべてのハブとして数多の記録を正確に蓄積し続ける必要があります。そこでApple Watchの廉価版として機能を特化させたスマートリングが登場するのではないでしょうか? Appleがスマートリングやスマートグラスの開発を検討してるらしいという噂もあります。
睡眠を正確にトラッキングすることは体調管理で最重要であり、Apple Watchの基本構造を流用できます。さらにGPS、Bluetoothが付与されれば、スマートホームのトリガーとしても使用できます。あるいは子どもに持たせて見守りとしての側面も持たせられるかもしれません。
Googleは恐らく自社開発デバイスには踏み切らないと予測します。Pixel Watchの公開から日も浅いですし、フィットネスに舵を切っているという背景もあるからです。加えてSamsungがAndroidベースなので、Galaxy Ringで収集された情報の連携で睡眠領域をカバーすることも考えられそうです。
重要になるのが電池持ち。せめて1カ月は充電なしで持ってほしいところです。予想されるスタンダードな使い方は、月に1日はGalaxy Ringを休ませる日(充電するタイミング)がありそう。その日は、外出時あるいは起床したら外して、帰宅時あるいは寝る前に着ける。それ以外は着けっぱなしという使い方。
もしかすると充電にはGalaxyならではの方式ワイヤレスパワーシェア(ワイヤレスでスマホの上にデバイスを載せて充電する方式)が活躍するかもしれません。Galaxy Ringを着けたまま、Galaxyスマホを握れば充電完了、となる可能性もあります。そうすれば、スマホを使っている間で勝手に充電されるので何年間も着けっぱなし。なんてことができるかもしれません。
一方のAppleは、今のところiPhoneからの給電は有線だけです。するとリングの着脱発生して習慣化のハードルがぐっと上がってしまいます。リングの登場に合わせて新しい充電方式が発表されるのか、あるいはAirPodsのようなケース方式になるのか。
Galaxy Ringの具体的な発売時期やスペックは発表されていませんが、7〜8月ごろに開かれる新製品発表会に詳細が明らかになると見られています。さあ、メーカー各社はこの発表を受けてどのように動く?
Source: Samsung, Forbes, 聯合ニュース