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3億5000万年前の木の葉っぱ、デカすぎです

  • 2024年2月7日
  • Gizmodo Japan

3億5000万年前の木の葉っぱ、デカすぎです
化石の木の再現イメージ
Image: Tim Stonesifer

夢にも出てきそう。

3億5000万年前の木々の化石が、幹に葉が付いた状態のままで発掘されました。木の化石って、普通は幹だけで出てくることがほとんどらしいんですが、新たに見つかった化石には葉っぱがわさわさ付いていて、全体的な形がちゃんとわかりました。そしてその形が、こんなたんぽぽの綿毛みたいな、耳かきの梵天みたいな形だったんです。

最古に準ずる古木

カナダの北東部ニューブランズウィック州のかつて湖だった土地で、この木の化石は発見されました。化石の種は「Sanfordiacaulis densifolia」と名付けられ、詳細な分析結果が論文誌「Current Biology」に掲載されています。

今までに見つかっている最古の木は、デボン紀後期(約3億6000万年前)のものなんですが、今回見つかったものはそれよりほんの少し新しい石炭紀前期のものです。Sanfordiacaulisが系統上のどの種に近いかはわかっていないため、「incertae sedis」(未分類)とされています。

3億5000万年前の木の化石
Image: Matthew Stimson

細い幹に巨大な樹冠

この論文の主著者でColby Collegeの古生物学者Robert Gastaldo氏によれば、化石の木には1本の幹から250枚以上、長さ1.75mほどの葉が生えていました。さらに、「それぞれの葉は最低あと1mは伸びていたと推定しています」とGastaldo氏はプレスリリースで語ります。

「つまり、この『ボトルブラシ(訳注:のような形の木)』には葉が密集した樹冠があり、少なくとも5.5mほどに広がっていたことになります。幹は木質ではなく、直径は16cmしかありませんでした。控えめに言っても驚愕です」

Sanfordiacaulisがそこまではっきりした形で保存されていたのは、地震により湖の端に押し出され、湖底に押し付けられたためだと考えられています。Gastaldo氏らの論文では、発見された中でも最も保存状態の良い5つの標本にフォーカスして分析しています。

自然の実験の1つ

彼らは、Sanfordiacaulisが巨大な樹冠を持つことで光を最大限吸収でき、また周りの競合する植物への光を遮って成長を抑えることもできたのだと考えています。

Gastaldo氏はプレスリリースの中で言っています。

「地上の生物の歴史には、現在生きている動植物とはまったく違うものが含まれています。

遠い過去に作用した進化の仕組みの結果、長い時間生き延びられた生物がありますが、それらの姿や形、成長の構造、生命の歴史は、それぞれ異なる軌跡と戦略を経てきました。ニューブランズウィック州で発見されたような珍しい化石は、我々の星に生息したが成功しなかった実験の、ほんの一例なのです」

ちなみにこのライオンの尻尾みたいな形の木、英語圏では「Dr. Seussの絵本に出てきた!」と言われていて、確かに映画化もされた『The Lorax』という絵本にそんな木が登場してます。タイムレスな創作物って未来を予言することがありますが、『The Lorax』の場合は遠い過去の生命をイタコのように反映してたのかもしれません。

生命誕生の謎を解くカギになる最古の「光合成」の痕跡 17億5千万年前の「光合成の痕跡」となる構造物の化石を発見。生命誕生のプロセスを知るための大きなカギになる。 https://www.gizmodo.jp/2024/01/earliest-traces-of-photosynthesis.html

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