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お弁当おかずの最定番「ミートボール」が50周年! 石井食品が常温で長期保存できる新商品と「親子でうれしい」戦略を発表

  • 2023年11月18日
  • GetNavi web

石井食品の主力商品「イシイのおべんとくん ミートボール」が2024年に発売50周年を迎える。同社は11月8日にプレス向け発表会を開催。50周年を記念して現行商品である「常温保存 ミートボール」「常温保存 チキンハンバーグ」を新たなパッケージデザインで、2024年2月より順次発売開始することを発表した。

 

発表会では、新商品の試食会も開催された。一足先に食べて来た新商品の味わいと共にレポートをお届けしよう。

 

「より多くの子どもたちに食べて欲しい」。無添加でおいしい「イシイのおべんとくん ミートボール」

↑会場では、人気商品「イシイのおべんとくん ミートボール」や新商品「いつでもミートボール」「いつでも1.5倍チキンハンバーグ」などが、調理例とともにズラリと並んでいた

 

「イシイのおべんとくん ミートボール」は、1974年の発売以来、お弁当の定番として多くの人に愛され続けてきた。同社の企業理念でもある「真(ほんとう)においしいものをつくる〜身体にも心にも未来にも〜」に沿った製品づくりとして、調理過程において食品添加物やアレルギー対策として玉子、乳成分を使用しない、などの改良を加えてきたが、一方でこうした取り組みについてはあまり知られていないという。同社の代表取締役社長執行役員 石井智康氏は「品質の高いものを作ることに対してストイックに取り組んできましたが、この50年間でそれが伝え切れていないことがジレンマ」と明かした。同発表会では、その取り組みのうち「無添加調理」「卵・乳成分ゼロ」「商品情報全公開」を “3つのすごいこと” として紹介した。

 

【その1】無添加調理

「無添加調理」では、1997年から原材料に使用されていた食品添加物を都度抜き続け、シンプルにおいしいものを作ることを突き詰めてきたという。

 

「添加物は悪いものだとは思っていなくて、それぞれいろいろな機能を持っており、便利で効率も良くなります。ですが、添加物ではなくても機能的な食材はたくさんあり、効率的においしく作ることが可能です。添加物に不安を感じる人がいるのも事実ですから、その不安を除いた上で、おいしいものが作れるのではないかと改良を重ねてきました」(石井氏、以下同)

 

醤油や酢などの調味料からも添加物を抜くため、各メーカーに特別仕様のものを依頼して作ってもらっているというこだわりぶりだ。さらに、一般家庭でなじみのある食材をベースとして使用することで、食べる人により安心を感じてもらいたいという思いもあるという。

↑1997年からスタートした「無添加調理」における、原材料削除・変更の変遷

 

【その2】卵・乳成分ゼロ

「卵・乳成分ゼロ」は、アレルギーを持つ子どもが多い材料であることから、これらを除くことでより多くの子どもに食べてもらおうという取り組みだ。アレルギーで困っているコミュニティーの人たちとの議論を重ね、自分たちで判断しやすいよう、分かりやすい表示にもこだわっている。

↑消費者が選ぶ際に一目でわかりやすいよう、食物アレルギー物質に関する情報はパッケージ表に記載されている

 

さらに、食物アレルギー配慮商品として、特定原材料8品目不使用の商品展開にも注力しており、ミートボールはもちろん、ハンバーグ、チキンライスの素、和風おせちまで幅広いラインナップを展開している。

↑特定原材料8品目不使用で常温保存可能な「プチミート」。トマト味、てりやき味のいずれも5袋 1130円(税込)

 

【その3】商品情報全公開

原材料については、Web上でより詳細に確認することができる。これが3つめの「すごいこと」の「商品情報全公開」だ。確認方法は、パッケージの表に記載されている「品質保証番号」と「賞味期限」を、パッケージ裏記載のQRコードを読み取ってアクセスしたサイトで入力するだけ。原材料名だけではなく、加工地や加工日、検査内容などを一覧で見ることが可能だ。

↑パッケージ表記載の「品質保証番号」をサイトで入力すれば、原材料ごとの加工地や加工日などさまざまな情報をまとめて確認することができる

 

商品情報を全て公開することには、各原料メーカーの協力も欠かせない。2000年代に開発した独自のシステムに、出荷時にデータを入力してもらうことで成立するというこの仕組みには、「データは絶対に間違いがあってはいけない。履歴管理は本当に大変なこと」と石井社長は苦労を語った。しかし、消費者の安心を高めるために、今後もこの取り組みは続けていくという。

 

「累計50億パックという数字を見ると、多くの人の身体の土台を作ってきたと言えるんじゃないかなと思います。だからこそ、安心・安全をどう突き詰めていくのか、ということが重要だと思っています」

 

これからの50年のために。もっと「使える」ミートボールを目指す

続いて、「親も嬉しい、子どもも嬉しい」をスローガンに、次の50年を見据えた計画について「パッケージの減プラ」「オーガニック素材の使用」「もっと『使える』ミードボールの拡大」について紹介された。

 

同社は環境配慮型の素材開発、製品販売など資源循環ビジネスを国内外で展開するTBMと、世界初の食品包材用シーラントフィルムを共同開発。フィルムの一部に石灰石を主原料とする「LIMEX Pellet」を含むことで、従来のフィルムと比較し、石油由来プラスチック使用量や、原材料調達から処分までの製品ライフライクルにおいてCO2を含む音質効果ガス削減をすることが可能となる。

 

同フィルムは、2024年2月から販売開始予定の「地域と旬」シリーズ第1弾「神奈川三浦のキャベツを使ったハンバーグソース(ロールキャベツ風)」で採用予定。2060年には2019年と対比してプラスチック生産量が2.8倍にもなるといわれているなか、世界で1番大きなシェアを占める包装の領域で、環境負荷の軽減を目指していきたいとしている。

↑2024年2月から販売開始予定の「地域と旬」シリーズ第1弾 「神奈川三浦のキャベツを使ったハンバーグソース(ロールキャベツ風)」。価格は未定

 

オーガニック素材使用の取り組みでは、その第一歩として、イタリアを中心にヨーロッパで長年にわたりオーガニック拡大に取り組んできたアルチェネロ社の有機トマトペーストを使用した「イシイのおべんとくん ミートボール」を、2023年から全国展開している。環境と消費者が豊かであり続けるために、持続可能な生産方法である有機農業の存在は欠かせない。石井社長は、次なる安心・安全のステップとして「将来的には、たまねぎやパン粉の有機化や、全量抗生物質不使用の鶏肉を使ったミートボール作りも実現していきたい」と展望を述べた。

 

「もっと『使える』ミートボール」への取り組みでは、480日間常温保存が可能なミートボールとハンバーグを2024年2月から順次発売していく。現行の市販品は冷蔵保存商品として販売しているが、2018〜2019年に自衛隊からの商品化希望により常温保存可能なミートボールを開発。自然災害時の非常食としての需要、またコロナ禍によるライフスタイルの変化から生まれたローリングストックの一般化など、一般家庭でも常温保存商品の需要が高まったことを受け、市販品としての発売が決定した。

↑480日間常温保存可能な「いつでもミートボール」(左)と「いつでも1.5倍チキンハンバーグ」(右)。発売開始は2024年2月予定、いずれも216円(税込)

 

新商品は、現行の常温保存商品にさらなるアップデートを加え、新たなパッケージデザインを装い「いつでもミートボール」「いつでも1.5倍チキンハンバーグ」として発売する。いずれも価格は216円(税込)、全国スーパーのほか、ドラッグストアなどでの販売ルートも検討しているという。

 

冷蔵保存のおいしさはそのまま! いつでも手軽に食べられる常温保存ミートボール

試食会では、現行商品の冷蔵保存ミートボールと、新商品の常温保存ミートボールを食べ比べることができた。常温での長期保存を可能にするために、味の劣化は否めないところがあるのだろう……と思っていたが、一口食べてその予想は裏切られた。お馴染みのミートボールの懐かしい味わいが、常温保存ミートボールでもしっかりと味わうことができたのだ。

 

有機トマトペーストがしっかり馴染んだ味わいと、柔らかいミートボールの食感。なにひとつ、「イシイのおべんとくん ミートボール」の魅力が損なわれることがない石井食品の実力を改めて実感した。これまでは、温めるというひと手間があったが、これなら夕食のもう一品、として気軽に加えることもできそうだ。

↑冷蔵保存の「イシイのおべんとくん ミートボール」(左)と常温保存の「いつでもミートボール」(右)。見た目も味もそのままに、ミートボールをもっと手軽に食べられるようになるのが嬉しい

 

「非常食やローリングストックとしてはもちろん、家族での外出時に手軽に開けて、そのまま子どもに食べさせてあげられる、という点もポイントだと思っています。山登りやキャンプなど、アウトドアシーンでも、常温保存のミートボールをタンパク源のひとつにしてもらえたら嬉しいです」

↑石井食品 代表取締役社長執行役員 石井智康氏

 

常温保存できる商品では、「お子様ミートボールが入ったカレー」を2023年4月から販売しており、好評を得ている。それを受けて石井社長は「今後はさらにラインナップを増やして、使い勝手の幅を大きく広げていきたい」と、今後の展開についても述べた。

 

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