「緑のgoo」は2025年6月17日(火)をもちましてサービスを終了いたします。
これまで長きにわたりご利用いただきまして、誠にありがとうございました。
東武日光駅から車でおよそ50分、標高1,300メートルの広大な山々に囲まれ、美しい湖のほとりに佇む「ゆるり 奥日光with DOGS」。今春4月29日にリニューアルオープンしたこの宿は、澄んだ空気と“和のおもてなし”に触れながら、歴史ある名湯が楽しめるドッグファーストな旅館。全愛犬家がブックマークすべき、とっておきの宿がまたひとつ誕生した。
上品な和テイストでありながら、中型犬までOKとあって敷地は広く開放的。門をくぐると、広々としたロビーラウンジが迎え入れてくれる。小型犬と泊まれる宿はそれなりにあるものの、中型犬同伴で和の趣を満喫できる旅館は希少。我が家のフレンチブルドッグは中型犬扱いとなるため、同伴となればセルフで楽しめるグランピングやカジュアルな宿に偏りがちで、風情ある宿に一緒に泊まれるのはありがたい限り。
ロビーラウンジの窓に広がるのは、日本庭園を思わせる中庭ドッグラン。四季折々の景観が楽しめる手入れの行き届いた庭を、ワンコたちが自由に駆け回れるというのは、なんとも贅沢。24時間出入りできるのも、外トイレ派である我が家の愛犬にとってうれしいポイント。
ドッグランは天然芝でクッション性が高く、おてんばな犬の足腰にも優しいので安心。愛犬を心ゆくまで遊ばせながら、飼い主も非日常感を存分に味わうことができる。
中庭ドッグランで思いきり遊んだあとは、トリミングルームへ直行。足や体を洗えるのはもちろん、ハサミやブラシなどのケア用品も一色揃っているので、トリミング目的で利用することも可能。
トリミングルームに設置されたドライハウスは、愛犬をクールダウンさせたり、除菌・脱臭したりと、ボタンひとつでクリーンに保てる手軽さも魅力。旅先で飼い主の手を煩わせることなく、ケアの時間さえも旅のハイライトになりそうな、絆深まるひとときに。
雨が降っても思いきり遊べる屋内ドッグランも常設。ボールやぬいぐるみなど、大小さまざまなおもちゃが用意されていて、屋内でも十分に楽しむことができる。飼い主と遊ぶのはもちろん、他のワンちゃんとのふれあいの場としても賑わいをみせ、愛犬がのびのび遊べる環境が整っている。
ドッグランでたっぷり遊んだあとは、ロビー内に設けられたおやつコーナーへ。ワゴンに並ぶのは、ジャーキーやおせんべい、お芋といったバラエティ豊かな全8種。好き嫌いの激しい我が家の愛犬も、ケースの穴から匂いを嗅いでお気に入りをチョイス。
ロビーラウンジには午後3時〜6時の間、ウェルカムドリンクのサービスが振る舞われている。ワンちゃん用にはおせんべいとお出汁が、飼い主用には地元・栃木の地酒3種に、蒸したての温泉まんじゅう、べっこう飴やおせんべいが並び、豪華なラインナップに感動しながら至福のひとときを満喫。
ロビーラウンジには、愛犬用の作務衣貸し出しサービスも。さっそくLサイズをレンタルして、飼い主とお揃いのペアルックにチェンジ。
お揃いの作務衣を羽織って向かった先は、茶室風のフォトスタジオ。スタジオの畳はもちろん、客室を含む館内の床はすべて専用コーティングされているため、汚れにくく耐久性も抜群。上品な畳の上でも愛犬と共に過ごせる、ドッグファーストの心地よさをこの場所でも実感。
続いて、オリジナルの絵馬が作成できるコーナーへ。愛犬の名前や願い事など、思いのままにペイントした木札に、愛犬の肉球スタンプを添えれば、世界でたった一つの絵馬が完成。
個性あふれるワンちゃんの絵馬がずらりと飾られた棚は、なんとも微笑ましく心温まる光景。宿に飾るもよし、旅の記念に持ち帰るもよし。絵馬棚の裏には、サービスで撮影してもらった愛犬の写真が飾れるコーナーも。
絵馬作りと併せて楽しめるのが「わんおみくじ」。Instagramや口コミ投稿で無料になるとのこと、さっそく引いてみると、幸先のいい「吉」で気分も上々。ゲン担ぎによさそうなこれらの体験ブースは、年末年始の旅行にも良さそう! と早くも次回の旅プランに妄想が膨らむ。
本館の客室は、和室から洋室までグレードごとに計43室5タイプが用意されており、宿泊したのは半露天風呂付きのツインベッドルーム。1部屋につき小・中型犬2頭まで泊まることができ、布団の中に潜り込まなければ、愛犬をベッドの上に乗せるのはOKというルールも寛大。日頃、飼い主と一緒に寝ているワンちゃんにとっては、旅先でもケージに入らず寄り添って眠れる幸せも味わえる。
ツインベッドの間には、スタイリッシュなドッグ用ベッドも設置されているので、横になりつつ視界に入る距離で愛犬を見守ることができて安心。
併設の半露天風呂にあえて温泉が引かれていないのは、硫黄泉の香りが犬にとって刺激になり過ぎないようにとの配慮から。どこまでも細やかな気遣いに、愛犬ファーストの姿勢が感じられる。
なにかと荷物が多くなりがちな犬連れ旅も、アメニティが充実していれば、手ぶらに近い感覚で泊まることが可能に。ドッグファーストでありながら、スタイリッシュな洗面台や蓋つきのゴミ箱、最新の空気清浄機といった設備にも細かな配慮が行き届いていて、飼い主にとっても部屋で過ごす時間は快適そのもの。
その他、館内には約60台もの貸し出し用ペットカートが完備されている。25kgまでの中型犬が乗れる低めのカートも備わっているので、ビッグサイズの犬種でも安心。さっそくカートを借りて、愛犬と一緒に夕食会場へ。
夕食はハーフビュッフェスタイルで、愛犬とともに楽しむことができる。せっかくの旅行で、愛犬を部屋でお留守番させることなく、一緒に楽しめるのもドッグファーストな宿で過ごす醍醐味。
宇都宮餃子や日光ゆばなど、ご当地の美食をはじめ和洋中のお惣菜、現地の野菜を使ったサラダやデザートまで、豊富なメニューが並ぶ。ビュッフェのほか、夕食には栃木産食材を使用した牛しゃぶ鍋もセット。火を点けた瞬間にとろける、ワンコを模した豆乳コラーゲンスープも可愛げたっぷり。
ワンちゃん用のビュッフェは、魚やお肉のほか、ブロッコリーやにんじんなどの野菜やスープ、ヨーグルトまで並ぶ充実ぶり。ケースの横には重りも備えてあり、食事量や栄養バランスの管理が必要な子にも配慮されている。
今春リニューアルした大浴場「瑠璃の湯」は、奥日光湯元温泉のにごり湯を堪能することができる。湯元温泉は、延暦7年(西暦778年)に勝道上人によって開かれ、江戸中期以降は日光山輪王寺の寺役によって受け継がれてきたという、奥日光を代表する名湯。遊び疲れた愛犬が部屋で寛いでいる間に、硫黄の香りに包まれて、心身ともにほぐれゆく時間もまた贅沢なひととき。
夕食後の団欒タイムには、ラウンジでお夜食のサービスも。とろみのある出汁がやさしく沁みるあんかけうどんと、素朴な味わいのお惣菜に舌鼓。昼とはまた表情の異なる中庭を眺めながら、愛犬と共に過ごす夜は心地よさも格別。
山々に囲まれた旅館の周辺は、おさんぽにも絶好のロケーション。美しい湖のほとりまでは、およそ5分。都会では味わえない絶景のおさんぽコースもまた、奥日光旅ならではの魅力。
翌朝のチェックアウトもワンタッチでストレスフリー。古きよき和の趣を堪能できる一方で、こういった最新システムを積極的に導入しているバランスが素晴らしく、煩わしい手続きやタイムロスを全く感じさせない。
宿を後にして東武日光駅へと向かう途中、いろは坂を下る車窓から見えたのは、宿の方にこっそり教えていただいた山桜。地元民しか知ることのない彩り豊かなこのパノラマは、旅の締めくくりにふさわしい絶景。旅の最後まで温かなホスピタリティに触れ、帰りの道中も心地いい余韻に浸ることができた。
ゆるり 奥日光 with DOGS
所在地 栃木県日光市湯元2548
電話番号 0570-550-881
料金 和室14,300円〜(夕・朝2食付き・2名1室利用時1名分・税サ込)
半露天風呂付きツインベッドの場合は20,900円〜
愛犬料金 1頭4,400円、2頭6,600円(Relo Hotels&Resorts会員登録【無料】後に公式HPから予約すると、愛犬の宿泊料が無料)
チェックイン/アウト 15:00(最終22:00)/10:00
アクセス 東武日光駅からバスで約75分(湯元温泉バス停下車)
https://yururi-okunikko.com/
文=栗原うらら
写真=榎本麻美