寒さの中で力を蓄えた草木がパワフルに芽吹き、次々と花を咲かせて景色をカラフルに染め上げる春がやってきました。
日本各地に、今しか見られない、かけがえのない美しい景色が広がっています。今回は千葉県が誇る、春の絶景・風物詩をピックアップ。自然が織りなす奇跡の景色に会いにいきませんか?
房総半島のほぼ真ん中に位置し、東京から一番近い棚田として知られる大山千枚田。
3万2千平方メートルの斜面に375枚の田んぼが階段状に並び、貴重な里山の農村風景として「日本の棚田百選」に選ばれている。
春になると田植え前に棚田に水が張られ、鏡のように空を反映。早朝には朝日で空がピンク色に染まり、幻想的な光景が広がる。
大山千枚田(おおやませんまいだ)
所在地 千葉県鴨川市平塚540
https://www.city.kamogawa.lg.jp/site/kamogawa-kanko/
房総半島を走るいすみ鉄道は、沿線で菜の花が見られることから「菜の花列車」とも呼ばれる絶景列車。
菜の花は毎年自治体や地域住民、地元企業の人々によって植栽されているもので、始発駅から終点まで約50分の間、半分以上の路線沿いに色鮮やかな菜の花が咲き誇る。
車窓からの眺めはもちろん、菜の花の中を列車が駆け抜ける風景もSNS映え抜群だ。
見ごろの時期:3月中旬〜4月中旬
いすみ鉄道と菜の花(いすみてつどうとなのはな)
所在地 千葉県いすみ市〜夷隅郡大多喜町
https://maruchiba.jp/index.html
印旛沼畔にある「佐倉ふるさと広場」は、関東最大級のチューリップの名所。
広大な敷地に100種類70万本のチューリップが植えられており、春には広場のシンボル・オランダ風車を背景に色とりどりのチューリップが咲き誇る。
見ごろの時期には、春の風物詩「佐倉チューリップフェスタ」も開催。今年は日本初上陸のチューリップも登場し、咲き進むうちに色が変わる「移り色」や香りの豊かな品種、「斑入り」など珍しいチューリップが満喫できる。
佐倉チューリップフェスタ
開催期間:2024年3月27日(水)〜4月21日(日)
佐倉ふるさと広場のチューリップ(さくらふるさとひろばのチューリップ)
所在地 千葉県佐倉市臼井田2714
https://www.sakurashi-kankou.or.jp/
真間山弘法寺は、市川市にある人気の花見スポット。境内には約200本の桜があり、なかでも有名なのは樹齢400年を超えるしだれ桜の「伏姫桜」だ。
淡いピンクの花をつけた優美な枝は地面に届きそうなほど長く、ソメイヨシノとの競演も見事。境内が華やかに染まる春は、多くの参拝客で賑わう。
見ごろの時期:3月下旬〜4月上旬
真間山弘法寺の伏姫桜(ままさんぐほうじのふせひめざくら)
所在地 千葉県市川市真間4-9-1
http://mamasan.or.jp/
袖ケ浦市にある東京ドイツ村は、四季折々の花が楽しめる、花と緑のテーマパーク。
春の訪れとともに約70,000株の芝桜が咲き始め、見ごろの時期になるとボート池の周りがピンクや白、薄紫などの花々でいっぱいに。
例年3月下旬から4月上旬ごろはソメイヨシノとのコラボレーションも見られ、可憐な景色に魅了される。
東京ドイツ村の桜と芝桜(とうきょうドイツむらのさくらとしばざくら)
所在地 千葉県袖ケ浦市永吉419
https://t-doitsumura.co.jp/
茂原市の中央部にある茂原公園は、「日本さくら名所100選」に選ばれる人気の花見スポット。春にはソメイヨシノなど約3,000本の桜が園内を美しく彩る。
特に弁天湖周辺の景色はすばらしく、湖を包み込む桜と朱色の橋が映える、湖面のリフレクションはフォトジェニック。
見ごろの時期には夜のライトアップも行われ、遊歩道や展望デッキなどから幻想的な景色を楽しめる。
見ごろの時期:3月下旬〜4月上旬
ライトアップ期間:2024年3月18日(月)〜4月7日(日)
茂原公園(もばらこうえん)
所在地 千葉県茂原市高師1325-1
https://www.city.mobara.chiba.jp/promotion/0000001554.html
若葉区にある都市と農村の交流施設、富田さとにわ耕園。指導を受けて1年間農業を体験できる農業体験農園なども実施している。
園内では、四季折々の花を楽しむことができ、春になると、12万株のシバザクラが咲き、辺り一面の紫色の雅な絶景が出現する。
毎年見ごろは4月中旬。
富田さとにわ耕園のシバザクラ(とみたさとにわこうえんのシバザクラ)
所在地 千葉県千葉市若葉区富田町711-1
https://www.chibacity-ta.or.jp/spots/tomitatoshi-center
柏市に位置する、17ヘクタールもの面積を誇る、風車がシンボルの公園。
季節の花が楽しめ、4月中旬になると、風車前花畑の16万球のチューリップが見ごろに。
日本庭園の中心には本格的な茶室「柏泉亭」もあるので、一息いれて、風車と色とりどりのチューリップのメルヘンな景色を楽しめる。
あけぼの山農業公園(あけぼのやまのうぎょうこうえん)
所在地 千葉県柏市布施2005-2
https://www.akebonoyama-nougyoukouen.jp/
市原市の五井駅から大多喜町の上総中野を結ぶローカル線、小湊鐡道。昭和感の漂う駅舎や、モーンアイボリーとファイアーオレンジのレトロかわいい車両、また、乗車すれば里山ののどかな風景を楽しめるとあってファンも多い。
藤本壮介氏設計の「世界一広いトイレ」があることでも知られる、小湊鐡道の飯給駅では、春になると、桜と菜の花と車両が織りなす絶景に出会うことができる。
小湊鐡道 飯給駅(こみなとてつどう いたぶえき)
所在地 千葉県市原市飯給943-3
https://www.kominato.co.jp/train/station/itabu/index.html
印西市吉高地区にある樹齢300年を超える、均整のとれた美しい姿の一本桜。市の天然記念物に指定されている。
幹周囲6.85メートル、樹高10.6メートル、枝張最大幅25.8メートルの巨木で、満開になると「ピンクの小山」のように見えるのだとか。
見ごろは例年4月上旬から下旬にかけて。満開の期間が2、3日と大変短く、すぐに葉桜になってしまうので、開花状況のこまめなチェックが必須だ。
吉高の大桜(よしたかのおおざくら)
所在地 千葉県印西市吉高地先
https://www.city.inzai.lg.jp/0000001355.html
※記載されている「見ごろ」は例年のものです。気候等により変動する場合がございます。
※施設の休業、イベントの中止・延期の可能性がございます。事前にご確認ください。
文=佐藤由樹