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毎朝作りたての焼き菓子と台湾茶でホッとひと息。東京・用賀「HEIDI'S BAKE」

  • 2024年3月13日
  • ことりっぷ


東京・二子玉川から用賀を繋ぐ玉川通り沿いに、2023年8月にオープンした「HEIDI'S BAKE(ヘイディズベイク)」は、台湾出身の女性パティシエが切り盛りするカフェ。台湾のエッセンスを取り入れた焼き菓子は、毎朝焼き上げる作りたてならではの食感や味わいが格別です。フォトスタジオの一角にある隠れ家のような店内で、台湾茶と共に味わってゆっくりと寛いでみてはいかがでしょうか。
用賀駅から二子玉川駅に向かって歩くこと徒歩11分、小道に入ったビルの2階にある「ヘイディズベイク」。ビル入り口の立て看板を見逃すと気付かず通り過ぎてしまいそうになりますが、エレベーターで2階に上がるとリーフで囲まれた可愛らしい看板が出迎えてくれます。
カメラマンでもある大家のスタジオ「Photo Studio & Cafe TUNE(フォト スタジオ&カフェ チューン)」が併設され、入って右側が「ヘイディズベイク」になります。大きな窓からたっぷりと差し込む日差しが店内を明るく照らし、広々と落ち着きのある空間はひと息つくのにぴったり。
キッチン前の対面カウンターにズラリと商品サンプルを置き、その日の朝に焼いたものを提供するスタイル。幸せな香りを漂わせ、焼きたてならではの食感やフレッシュな味わいを楽しめます。
オーナーのファン・シーチンさんは台湾出身のパティシエ。台湾の「ジョエル・ロブション」でパティシエとしてのキャリアをスタートさせ、スカウトされて日本へ移住し、東京・銀座にある二つ星レストラン「エスキス」で7年間パティシエを務めました。そして来日10年目にして永住権を取得したタイミングで、独立を決意して開業。店名はファンさんのイングリッシュネームに由来します。
修業時代は主に作りたてのデザートや焼き菓子をふるまっていた経験から「新鮮なおいしさを味わってほしい」という想いが強く、当日の朝に作る"朝焼き"というスタイルにたどり着いたそう。また、フランス菓子をベースに、台湾のエッセンスを取り入れて新しいおいしさを生み出しています。たとえば、料理でよく使われるスパイスの馬告(マーガオ)やピンクペッパー、台湾ウーロン茶など、どれも驚くものばかり。一見斬新な素材使いですが、見事に調和させ、豊かな香りやアクセントの効かせ方に贅沢感を感じられます。
注文を受けてからクリームを入れる「台湾炭焼ウーロン茶クッキーシュークリーム」は、生地にナイフを入れるとサクッと音を立てるほど軽い食感。ウーロン茶の茶葉をパウダー状にしてカスタードクリームと生クリームに合わせ、オレンジリキュールのグランマルニエをアクセントで入れています。豊かな香りに終始魅了され、あと味はさっぱり。クリームの量はたっぷりですが、ぺろりと食べられますよ。
シンプルながら、食感を追求して作られたのは「台湾風サクトロエッグタルト」。生地とバターを折り重ねて寝かせる工程を3日間行うことで、サクサク軽やかな食感のタルト生地になります。それに対して中のクリームはトロッとした口当たりで、卵や牛乳のやさしい甘味が伝わってきます。
牛乳を使わず生クリームを入れ、生地をこねすぎず手早くまとめることでしっとりと仕立てたスコーンも必食です。「レモン馬告山胡椒スコーン」は、自家製のレモンコンフィと台湾で馴染みのあるスパイスの馬告を、注文したタイミングでスコーンの間に挟んでくれます。レモングラスのような爽やかな香りと甘酸っぱさが満ちあふれ、気分がリフレッシュできます。
看板商品のフィナンシェは、高温短時間で焼き上げることで表面は薄くカリッと、中はしっとり。朝焼きならではの食感のコントラストに、ひと口で心奪われます。深めに焦がしたバターの芳醇なコクと香りがジュワッとあふれるように広がり、「プレーンフィナンシェ」はそのリッチな味わいをストレートに感じることができますよ。
パイナップルケーキが着想源の「パイナップルピンクペッパーフィナンシェ」は、さくらんぼの蒸留酒のキルシュに漬けたパイナップルが生地に混ぜ込んであります。アクセントに効かせたピンクペッパーがあと味を引き締め、大人な味わいです。
オーブンで温め直したフィナンシェにミルクアイスクリームを挟んだ「フィナンシェアイスサンド」は、ご褒美にふさわしいイートイン限定メニュー。ソースはミックスベリーか塩キャラメル+胡桃を選べます。ひんやりとしたアイスが口の中で溶けてフィナンシェと一体になっていくさまは幸福感たっぷりです。
華やかなデザインの袋に入った台湾茶はギフトにどうぞ。上品な香りとフルーティな甘さの「東方美人茶」は台湾を代表する銘茶です。イートインでも提供されている⁡ 「蜜香紅茶」は、1パック350円で販売しているので気軽に購入しやすいのが嬉しいところ。マスカットのような甘さがありつつ、すっきりとした飲み心地なので焼き菓子ともよく合います。

いずれも、レストランの名店で培ってきた感性と技術をもつ台湾出身のファンさんだからこそ生み出せたおいしさで、素朴な焼き菓子のイメージがガラッと変わりますよ。二子玉川周辺の散策や買い物の合間に立ち寄ってみて。

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