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異国情緒が息づくまちの歴史、風物を染め抜いた手ぬぐいの店「長崎雑貨たてまつる」

  • 2022年12月21日
  • ことりっぷ


江戸時代、長崎奉行所が置かれた江戸町にある「長崎雑貨たてまつる」。この地の歴史、文化、風景を色彩豊かに描いた手ぬぐい「たてま手ぬ」が評判のショップです。築70年を迎える店内には、手ぬぐいをアレンジした布製雑貨、文具、陶製小物など、長崎を題材にした素敵な品々があれこれ豊富に並びます。
「長崎雑貨たてまつる」は長崎一の繁華街・浜町近くの裏通り、石畳を敷き詰めた坂の途中にある雑貨店です。ここは鎖国時代に長崎奉行所西役所が置かれた地域。開国後には教育機関「海軍伝習所」が設けられ、勝海舟や五代友厚ら各地の優秀な幕臣や藩士が最新の航海術や造船学を学びにこの地を訪れました。
お店の前の坂道を歴史上の人物が往来していたかと想像するだけで趣深いですね。長崎の歴史や風物をモチーフにしたオリジナル手ぬぐい「たてま手ぬ」のお店としては、じつにふさわしい立地といえます。
店内には「たてま手ぬ」(1枚1320円)とそれを使ったトートバッグ、ブックカバー、マスクなどの布製雑貨を中心に、オリジナルのアイテムが並びます。
これらデザインを一手に手がけているのが、店主の高浪高彰さんです。
「田舎だった長崎が嫌いで高校卒業後、憧れの東京に出て就職しました。大手の眼鏡店で社員が12人、その半数以上は僕と同じ地方出身者でした。そういうメンバーで飲みに行くと、決まってはじまるのが郷里の自慢話大会。私は長崎のことを何も知らなかったので自慢話に参加できずに、とても悔しい思いをしました」と高浪さん。これがきっかけとなって地元について調べはじめたのだとか。
「知れば知るほど長崎は歴史の宝庫だということに気づきました。学生時代、何気なく歩いていた通学路を勝海舟や坂本龍馬が歩いていたなんて、おもしろいエピソードが次から次に出てくるんです」。いつしか長崎のことを誇りに思うようになっていったといいます。
そんな高浪さんに転機が訪れました。2003年に叔母が営んでいたおみやげ屋さんの閉業を機に長崎にUターン。店舗を引き継いで、今のお店を立ち上げたのだそうです。
「デザインはまったくの素人」というものの、絵と音楽とアートをこよなく愛する高浪さんが描く絵図は、どれもカラフルで、構図が大胆かつユニーク。あわせて、手描きならではの素朴さとぬくもりが感じられます。
日本の近代化に貢献したトーマス・B・グラバーや坂本龍馬といった長崎ゆかりの偉人のほか、街中を走るチンチン電車、眼鏡橋、教会など、これまでにさまざまなデザインを生み出していて、ただいま全約60種類。
ところで、なぜ手ぬぐいに着目したのでしょうか?
「長崎の祭りといえば、長崎くんち。各踊り町が縁起物として観客に手ぬぐいを投げ渡す習慣があります。そのため、昔ながらの手ぬぐいの染め物業者も残っていて、ちょうど和雑貨が注目されはじめた頃だったので、オリジナルの手ぬぐいをつくろうということになりました」。
「たてま手ぬ」の魅力は、デザインのおもしろさだけではありません。手ぬぐい、ハンカチとしてはもちろん、タペストリー、ランチョンマット、テーブルランナーとして使っても映えます。2枚縫い合わせれば、のれんとしても使えてグッド。
アパレルブランドの「URBAN RESEARCH」とのコラボアイテムは、同店のほか、JR長崎駅隣接の「URBAN RESEARCH アミュプラザ長崎店」でも販売。こちらは藍色の染め付けの商品で、ガーゼタオル、ふろしき、バンダナなどのアイテムもそろいます。
「長崎雑貨たてまつる」では、オリジナルアイテム以外に、長崎にゆかりのある小物、陶製品などをラインナップしています。写真の「カステラはしおき」は、陶芸家の宇多田理恵さん作。そのまま飾っていても絵になるデザインで、このお店のロングセラー。ほかに、チンチン電車、ステンドグラス、眼鏡橋など、長崎らしいモチーフのはしおきがそろいます。
いかがでしたか?「長崎雑貨たてまつる」では、長崎フリークのご主人による「たてま手ぬ」の新デザインを続々リリースしています。
目にしたときのインスピレーションのままにセレクトするのもありですが、その品物の背景にあるエピソードやご主人の思い入れを聞きながら、何にしようかおみやげ探しをするのも楽しいと思いますよ。

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