サイト内
ウェブ

歴史ある街・旭川で伝統と挑戦が息づく手しごと探訪

  • 2020年10月10日
  • ことりっぷ


札幌に次いで北海道内で2番目の街であり、ここ数年は旭山動物園で一躍、全国的にも有名になった旭川。その一方で戦前から発展を重ね、北海道の中でも歴史を感じる街でもあります。昔ながらの伝統を大切にする様子や、旭川を盛り立てようと奮起する職人たちが垣間見れる店をピックアップしました。
旭川は大雪山から流れ出る美しい水が豊富、米どころであることから、古くより酒造りがさかんに行われてきました。そのうちの一つが明治時代から続く「髙砂酒造」です。
8割以上が旭川や近郊エリアでとれた酒米と、酒造りに適した品質の地下水を使い、銘酒・国士無双などが生まれました。
歴史ある酒造ですが、若手の杜氏が企画から販売までを担うチャレンジタンクや、酒粕を使った企業とのコラボレーションなど、積極的に新たな風を取り入れています。
そんな新たな挑戦と長く守られた味わいにふれられるのが併設の資料館・直売所です。なんとこの建物は、明治時代の創業時、酒造工場として使われていたのだとか。歴史ある空間で気になる一本を見つけてみては?
JR旭川駅から車で5分ほど、木造の立派な建物に「キッコーニホン」の看板を掲げる「日本醤油工業」。明治23年に酒造店としてスタートしましたが、戦時下の国策によって昭和19年に醤油製造へと転じた企業です。
味のある社屋は今なお現役。トロッコで物資を運んでいた名残のレール跡や、現代ではほとんど作れる人がいないという巨大な木造の醤油樽があります。年に数回のイベント時のほか、10名以上での見学(要予約)も可能です。
直売所は通年、解放されているのでいつでもお買い物が楽しめます。看板商品のキッコーニホン印の醤油やドレッシング、おもしろいところでは醤油味のアイスキャンディーも。醤油の香ばしい風味を生かしたアイス、ぜひご賞味あれ。
日本醤油工業直売店と同じ通りに「近藤染工場」があります。創業122年、当時よりのぼりや旗、のれんを染め上げてきました。
プリント染めが主流な昨今ですが、近藤染工場では古来から伝わる印染めという刷毛での染めにこだわります。布の断裁、染め、縫製まですべてが人の手。職人の手によって力強さ、繊細さが伝わる製品が生まれています。
併設の直売所では風呂敷やコースターなど手頃な商品も並びます。旭川や北海道らしいモチーフが描かれたご当地シリーズもあるので、おみやげにぴったり。
名橋・旭橋のすぐそばにある「福吉カフェ 旭橋本店」。旭川生まれの福居製餡と茶屋・吉川園という2つの老舗の素材を使った、歴史建築カフェです。
看板メニューは「福吉らて」と「トキワ焼き」。福吉らては美瑛産小豆とミルク、宇治抹茶の3層構造。タピオカのトッピングもできますよ。
トキワ焼きは旭橋の形をモチーフに、つぶあんやクリームをデニッシュ生地に包んで焼き上げています。
趣ある建物は大正時代築。これまで製粉所や和菓子店などとして活躍してきた建物で、老舗が誇る味わいを堪能できます。
旭川の中心部・買物公園通沿いでチーズの製造販売を行う「ジャパチーズ アサヒカワ」。蔵王でチーズの製造開発に携わっていた店主が旭川に移住し、開業したお店です。
店内のポップには味わいや食べ方がていねいに紹介され、わさび醤油で味わったり、味噌汁に入れると美味しい、と意外なマリアージュも教えてもらえます。
チーズの原料となる牛乳は市内の牧場のものを使用。牛乳本来の雑味がない、やさしい味わいが楽しめるプレーンタイプのほか、近郊の農場でとれたトマトや、地ビールをミックスしたチーズも並び、地域の魅力を丸ごと味わえます。
「街角のお豆腐屋さんに行くような感覚で日常的に来てほしい」との店主の思いの通り、代わる代わるお客さんが立ち寄る地元で愛されるお店です。
***
伝統を大事にしつつも、次なる新たな挑戦を止めない企業やお店による手しごとに出会える旭川。ぜひ、実際にお出かけして現場の空気を感じながら、できれば作り手のお話も聞きながら、とっておきを見つけてくださいね。

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 1996- 2024 Shobunsha Publications All Rights Reserved.