福岡県糸島の「暮らし」と「人」を知る〈お試し移住体験〉

  • 2024年8月19日
  • コロカル

こんにちは。「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

コロナ禍をきっかけに普及した“テレワーク”のおかげで、ハードルが高かった地方移住は、だいぶ身近な選択肢になりました。

日本最大級の移住相談窓口〈ふるさと回帰支援センター〉によると、2023年の地方移住相談件数は5万9276万件。3年続けて過去最多を記録するほど、関心が高まっています。

一方で、

「移住に興味はあるけれど、いきなり田舎に飛び込むのは抵抗がある」

そんなふうに感じている人は多いのではないでしょうか。

移住生活は、良いことも悪いことも「暮らしてみないとわからない」ことばかり。実際に地方移住をした人のなかには、理想と現実とのギャップに直面し、都市部に戻ってしまう人も少なくありません。

そういった「ミスマッチ」を防ぐためにも、移住前の事前リサーチや、お試し移住がとても大事だと思っています。

青々とした田んぼで草取りなどの作業をする人々の写真。

そのひとつとしておすすめしたいのが、各自治体が行う移住促進企画の活用です。

〈いとしまシェアハウス〉も去年から、福岡県主催の移住体験プログラム〈福岡くらしごと体験〉に参加しています。

これは、福岡県への移住や、我が家の暮らしに興味がある県外の方を対象としたもので、地域に根づいた「暮らし」と「しごと」に触れることで一般的な観光では体験できない魅力やつながりをお試し体感できるプログラムです。

2泊3日〜3泊4日の体験費は無料。宿泊費やレンタカーの補助も出るので遠方からでも参加しやすく、田舎暮らしの“リアル”を体感することで自分にマッチしているかどうか、じっくり考えることができます。(食費などの実費は自己負担となります)

木をふんだんにつかったワークスペースでPC作業をする人の写真。

テレワークを体験しに来られる方も多いです。

さらに、〈いとしまシェアハウス〉が企画したイベントに参加する場合も宿泊補助やレンタカー補助は適用されるため、

「いとしまシェアハウスの暮らしに興味はあったけど、遠方でなかなか行くチャンスがなかった」

という方にもおすすめしたいです。

田舎暮らしに漠然と憧れるよりも、まずは一歩飛び込んでみる。そんな勇気をくれるプログラムだと思います。

大豆と麹をまぜて、味噌づくりをする人々。

味噌づくりワークショップ。泊まり込みでの参加なら、麹づくりから体験できるかもしれません。

年間を通じた、お試し移住プログラムの内容とは?

〈いとしまシェアハウス〉でのお試し移住では具体的にどんなことが体験できるか、ここでご紹介していきます。

草むらにある野いちごの写真。

まず、春から初夏にかけては山に入っての野草や野いちご摘み体験。

山といっても歩いて約5分。すぐそばの小道を歩くだけで、ヨモギ 、セリ、グミ、野いちごと、さまざまな食べ物が収穫できます。

木に登って甘夏を収穫する男性。

また、ゴールデンウィーク期間には甘夏狩りも実施。

お仕事や学校の連休を活用してプログラムに参加される方もいらっしゃいました。

水を張った田んぼで作業をする人々。

6月は、田んぼ作業を一緒に行います。「移住して田んぼをやってみたい!」と思う方は多いかもしれませんが実際に始めるとなると、なかなか大変。

がっつり農業として進めたいのか。自然体験としてやりたいのか。何人で取り組むのか。

現場のリアルを体験していただくことで目的を整理し、どんなかたちでお米づくりに関わることがベストなのか、一緒に考えていきます。

田植えをする人々。

田んぼまでは歩いて5分ほど。

夏は川や山をフィールドに思い切り遊びます! 

私たちの集落は、山も川も海も近いのが魅力。都会のようなエンターテインメントは少ないけれど、自然そのものが遊び場になります!

透明度の高い海で遊ぶ3人の子どもたち。

遠浅で波が高くないので、小さな子どもと遊ぶのにももってこいです。

夕方にお弁当をつくってみんなで海へ行き、そのままビーチで夜ごはん! なんてことも。大自然を目の前に、子どもたちも大はしゃぎです。

日の落ちた海でカメラを構える人。

海へは車で5分ほど。夕日のタイミングを見計らってみんなで遊びに行くことも。

秋にはお米の収穫体験をします。稲を刈ったら、太陽光でお米を乾燥させる、昔ながらの“天日干し”を行います。特別な道具は必要ないので、大人から子どもまで、みんなで楽しめるのもうれしいポイントです。

刈った稲を手にしてポーズをとる人々。

「子どもを自然保育に通わせてみたい」という子ども連れのファミリーの方は我が家の娘が通う自然保育を取り入れた保育園の見学や体験もできます。

実際に子どもたちと一緒に暮らしの体験ができたことで、移住後のイメージがついたという声も。

子どもが稲穂を手にしている写真。

自然保育の子どもたちと一緒に稲刈り体験!

田んぼでおにぎりを食べている5人の子どもたち。

そして冬は、古民家のセルフリノベーションに取り組みます。

「移住先で家をリノベする予定」という方に人気のコンテンツで、これまでに、断熱DIYや床張りなど、普通のおうちでは体験できないようなダイナミックなDIYに取り組みました。

お風呂場で断熱DIYを行う男女。

お風呂場の断熱DIYを一緒に!

部屋の床に断熱材を敷く人々。

個室の断熱リノベーション。

「場所」と同じくらい大切なのは……?

プログラムを通じて、移住を検討する方をたくさん受け入れてきましたが、私は、田舎暮らしが初めてという方にこそまずは「シェアハウス」での暮らしをおすすめしたいと思っています。

その理由は、

・一緒に暮らす仲間がいるから寂しくない

・地域との信頼関係が既にあるので、関係構築の時間がショートカットできる

・畑や田んぼのイロハを教えてもらえるので、気軽に始められる

・家具や家電がついているので、身軽に引っ越しできる

・いろんな人と交流ができ、友だちが増える

などなど、メリットがたくさんあること。

実際に〈いとしまシェアハウス〉での暮らしを体験してから糸島に本格移住した仲間たちも多くいて、彼らとは我が家を出たあとも、ずっと交流が続いています。

刈った稲を手にして笑う2人の女性と子供。

元シェアメイトが稲刈りを手伝いに帰ってきてくれました。ありがとう!

移住先を決める条件として「場所」はもちろん大事ですが、「人」も同じくらい大切です。

もし糸島を訪れた際は、この地域の豊かな「人のコミュニティ」も体験していただけたらうれしいです。

移住体験プログラム〈福岡くらしごと体験〉は、現在も参加者募集中。学生さんでも、子ども連れのファミリーの方でも、我が家の暮らしに興味がある方は、ぜひご活用ください!

Information

福岡くらしごと体験〈いとしまシェアハウス〉

Web:福がお〜かくらし

information

いとしまシェアハウス

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CHIHARU HATAKEYAMA

畠山千春

はたけやま・ちはる●新米猟師兼ライター。3.11をきっかけに「自分の暮らしを自分でつくる」活動をスタート。2011年より鳥を絞めて食べるワークショップを開催。2013年狩猟免許取得、狩猟・皮なめしを行う。現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉を運営。2014年『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』(木楽舎)。第9回ロハスデザイン大賞2014ヒト部門大賞受賞。ブログ:ちはるの森

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