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小豆島の農村ホテル〈NOTEL〉。『NOTEL軒下市』で、小さくお試しオープン

  • 2024年2月26日
  • コロカル
NOTELはいつオープンするの?

「小豆島の廃校になった小学校を改装して農村ホテル〈NOTEL〉をつくります!」と、この小豆島日記で宣言したのが2023年7月。あれから半年が過ぎました。たくさんの方から反響をいただき、廃校になった学校建築など使われなくなった公共建築物をこれからどうしていくのか、多くの人たちが注目していることなんだなとあらためて感じています。

さて、気になるのは「NOTELはいつオープンするの?」ということかと。2024年2月現在、どんな感じでNOTELオープンにむけて工事を進めているのかをお伝えしようと思います。

2005年に閉校した大鐸(おおぬで)小学校。その後、建物を分割、改修工事し、公民館および介護施設として使用されていたのですが、介護施設は移転し、2018年頃から分割された半分の建物は空き家状態。

2005年に閉校した大鐸(おおぬで)小学校。その後、建物を分割、改修工事し、公民館および介護施設として使用されていたのですが、介護施設は移転し、2018年頃から分割された半分の建物は空き家状態。

まず、これまでの動きを整理しておくと、

【2019年10月】以前から気になっていた廃校になった旧大鐸(おおぬで)小学校の建物利用について土庄町役場に連絡して、建物内部を初めて見学。使わせてもらえるのか相談したものの、ほかの用途で利用予定があるため借りることはできず。

このあと世の中はコロナ禍となり、何も変わらないまま約3年経過……。

【2022年7月】再び役場に問い合わせ、こんなかたちで使いたい! とプレゼンしに行く。何度か話し合い、建物を借りられることに。

週に1回のペースで集まり、打ち合わせを重ね、事業計画の作成、会社の立ち上げ準備、建物の改修設計、補助金申請などを進める。

【2023年3月】NOTELを運用していくための会社「肥土山ランドスケープ合同会社」を、肥土山(ひとやま)地区で暮らすメンバー5人で設立。

【2023年4月】土庄町と建物の賃貸契約をかわす。これで正式に建物を使えるように!

事業計画、資金計画を何度も練り直して、実現できるプランに落とし込んでいく作業を粛々と進めながら、少しずつ掃除や撤去作業を進める。

【2024年1月】小さくおためしオープン! 第一回『NOTEL軒下市』を開催してみる。

という流れでここまできています。

自分たちでできるところからとにかく始めてみる。床のシートをはがしまくる。

自分たちでできるところからとにかく始めてみる。床のシートをはがしまくる。

事務所になる場所に台やイスを集めてきて打ち合わせ。窓から見えるのは太麻山(たいまさん)。

事務所になる場所に台やイスを集めてきて打ち合わせ。窓から見えるのは太麻山(たいまさん)。

ようやく本格的な工事がスタート

具体的に動き出したのが2022年7月頃、そこからの1年半、ひとつずつひとつずつ進めてきて、ようやく本格的な工事を始めるところまできました。法人を立ち上げるのも初めて、銀行からお金を借りるのも初めて、何千万円という規模の初期投資をするのも初めて。ほとんどのことが初めてで、わからないことばかりで、そのたびにいろんな人に相談しながら進めてきましたが、やっぱり時間ってかかりますね。すんなりとはいかないものです(汗)。でも、やったことがない私たちだからこそ、その都度考えて相談して、自分たちがいいと思う方法で実行していく。

思うように進まずにひりひりと焦るときもありますが、積み重ねて確実に進んでいる感じがします。それが楽しくもある。新しいことを知れる喜びと挑戦するワクワクと。

島の友人に家具の制作を依頼。身近に頼れる人がいるのはとても心強い。

島の友人に家具の制作を依頼。身近に頼れる人がいるのはとても心強い。

コロナ禍の影響もあり、小豆島では大きなホテルや旅館がここ数年で何軒か閉業しました。そこで使われていた厨房器具や設備を譲り受け、この場所で再び生かします。

コロナ禍の影響もあり、小豆島では大きなホテルや旅館がここ数年で何軒か閉業しました。そこで使われていた厨房器具や設備を譲り受け、この場所で再び生かします。

2024年1月からは、建物1階の軒下エリアで『NOTEL軒下市』を実験的に開いています。コンセプトは「小さくおためしオープン!」まだホテルのオープンは先ですが、この場所に人が来てもらうとどんなことが起こるか、小さく試しながらつくりあげていこうと、工事をしていない建物外の軒下スペースで開催しました。

場を開くとどんなことが起こるか試してみよう! と1回目の「NOTEL軒下市」を開催。自分たちがやったことがある小さな規模で。構えすぎなくていい。

場を開くとどんなことが起こるか試してみよう! と1回目の「NOTEL軒下市」を開催。自分たちがやったことがある小さな規模で。構えすぎなくていい。

軒下に野菜が並び、人が来てくれると賑やかでいい雰囲気。

軒下に野菜が並び、人が来てくれると賑やかでいい雰囲気。

1回目の軒下市は、野菜や卵などを販売しました。想像していたよりもたくさんの友人や知人が来てくれてとてもうれしかったです。ここに人が集うということが、一気にリアルになりました。それと同時に、車で来る場合の案内表示の必要性、駐車場の問題などがよくわかりました。

1回目を振り返り、入口の案内看板などを設置し、2回目は野菜や卵販売の軒下市に加えて、NOTELオープンにむけて作業を一緒にしてみませんか? の日として開いてみることにしました。ここでともに時間を過ごすことを楽しめたらいいなという思いから。島の友人や知人、島外から来てくださったご家族もいて、たった3時間でしたが、コンクリートブロックの撤去、布張り椅子の掃除、厨房器具の掃除などどんどん進んでいきました。たくさんの人が集まったときのパワーってすごい!

コンクリートブロックの撤去作業。みなさんとても一生懸命に作業してくださいました。

コンクリートブロックの撤去作業。みなさんとても一生懸命に作業してくださいました。

廃業したホテルから譲り受けた厨房器具のクリーニング作業。親子で。

廃業したホテルから譲り受けた厨房器具のクリーニング作業。親子で。

コーヒーとぜんざいを食べながら休憩。背景の太麻山がいいなぁ。自然があって人の営みがある。こういう風景をこれからいっぱい生み出していきたい。

コーヒーとぜんざいを食べながら休憩。背景の太麻山がいいなぁ。自然があって人の営みがある。こういう風景をこれからいっぱい生み出していきたい。

NOTELの本格的な建物内装工事はこれから進んでいきます。オープン目標は2024年6月。場をつくりこんでいくと同時に、ともに働いてくれる人の調整やwebサイトの構築、仕組みづくりなど、まだまだやることてんこ盛りです。これまでと同じようにひとつずつつくりあげていきます。小さく試して、調整しながら。

information

NOTEL 

Web:Instagram

writer profile

Hikari Mimura

三村ひかり

みむら・ひかり●愛知県生まれ。2012年瀬戸内海の小豆島へ家族で移住。島のなかでもコアな場所、地元の結束力が強く、昔ながらの伝統が残り続けている「肥土山(ひとやま)」という里山の集落で暮らす。移住後に夫と共同で「HOMEMAKERS」を立ちあげ、畑で野菜や果樹を育てながら、築120年の農村民家(自宅)を改装したカフェを週2日営業中。https://homemakers.jp/

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