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「エコビレッジ」 詳細解説

読み:
えこびれっじ
英名:
Ecovillage

環境と経済が両立した社会を実現していくには、地域や共同体を持続可能なものへと変えていく必要がある。このような、環境に配慮してデザインされた地域のことを「エコビレッジ」と呼ぶ。エコ農業を基本に循環型社会を目指す「パーマカルチャー」やLOHAS里山資本主義などの考え方と通じる部分が多い。大規模な地域開発ではなく村落などの小規模な地域をベースとすることで、自然環境との共生や、人間同士の顔の見える関係づくり、地産地消などを実践し、相乗効果を生み出すことにつながる。

世界にはさまざまなエコビレッジがあり、その概念は広く、形態も多様だ。英国・スコットランド地方のフィンドホーン財団は、1980年代後半からエコビレッジを実践し、数十棟のエコハウスを建設し、再生可能エネルギーを積極的に利用している。ドイツのカッセル市にあるニーダーカウフンゲンは、共同住宅へのパッシブソーラー導入や、持続可能な農業生産などに取り組んでいる。長崎県の五島列島には、パーマカルチャーの理念を柱とするエコビレッジ「大丈夫村!」がある。

注目される動きとして、富山県南砺市による「エコビレッジ構想」があげられる。南砺市が2013年に策定した同構想は、環境やエネルギー、農林業などが連携・連動することで、人づくりや地域内での資源循環を進め、地域の自立を図っていこうというものだ。策定にあたっては、俳優の伊勢谷友介氏が代表を務めるリバースプロジェクトも協力して、市民の意見を広く取り入れた。

地域をエコビレッジにすることで、環境やエネルギーだけでなく、農林水産業、町おこし、地域住民の健康増進、医療、福祉、教育など幅広い分野での効果が期待されている。国も、総務省の「地域経済循環創造事業」などにより、エコビレッジの創出を後押ししている。また、独立行政法人国際協力機構(JICA) は、セネガルでエコビレッジの面的な展開を支援している。さらに、エコビレッジの国際ネットワークもある。

なお、国内ではエコビレッジという名称の地域や施設が多数みられるが、単なる共同住宅や商業施設もあるため注意が必要だ。

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