サイト内
ウェブ

「スローフード」 詳細解説

読み:
すろーふーど
英名:
Slow Food

スローフードは、ハンバーガーショップなどに代表される一般的なファストフード(Fast food)に対して、多様で伝統的な食文化を大切にしながらこれを楽しみ、人が生きていく上で欠かせない食の喜びを取り戻そうという運動だ。1986年、イタリア・ピエモンテ州の小さな町「ブラ」に住む食文化雑誌の編集者が作った「アルチ・ゴーラ」という美食の会のメンバーが、アメリカ系のハンバーガーショップがローマに店を開いたことに反発し、「スローフード」の大切さを呼びかけたことがきっかけとなった。

運動の発祥となった「アルチ・ゴーラ」は、1989年にパリで開かれた総会で「スローフード宣言」を採択し、会の名称も「スローフード協会」となった。2003年のナポリ大会では「2003年スローフード宣言」 が採択され、生物多様性や食の知識の重要性に言及されるなど進化を続けている。また、食生活だけでなく、ライフスタイルそのものを問い直すエコロジー運動として、大きなムーブメントになっている。2014年現在、世界150カ国に10万人を超える会員を擁するNGO/NPOに発展している。

スローフード協会は、食の源となる種の多様性を守る、生産者と消費者とを結ぶ、味覚の教育という3つの使命を掲げている。日本では、BSE(牛海綿状脳症)の問題や食品偽装標示など食の安全・安心に対する信頼が大きく揺らぎ、食に対する関心が高まったことを受けて、21世紀に入り全国各地にスローフード協会の支部が誕生した。会員数も増加を続け、2004年にスローフードジャパンが設立された。

こうしたブームを受けて、いわゆるファストフード業界でも、スローフードや地産地消を取り入れる動きがある。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。