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海野和男のデジタル昆虫記

アサマシジミ

アサマシジミ
2021年07月09日

1週間近く前、アサマシジミを見に行った。昔から観察している地域は,最近は知られてしまっているようで、極端に少ない。アサマシジミは採集者に追い回され、草刈りで食草を刈られ、発生地が伐採の材木置き場にされてしまったり、太陽光発電の発電所になってしまったりと、受難のチョウである。
元々は草原のチョウであるが、開発や植林の影響で、昔から産地を減らしてきた。農地沿いなどの産地では、草刈りで食草のナンテンハギが刈られ、とうの昔に絶滅してしまったのだろう。幼虫がナンテンハギにいるのが5〜6月初旬で、この時期に草刈りが行われると,幼虫は死んでしまう。最近は山の中の道ばたも草刈りをするが、棲息地はちょうど草刈りが行われた直後だった。つまりその産地は,チョウが成虫になってから草刈りが行われることで,絶滅を免れているのだ。
採集圧が特に問題となるのもこのチョウの特徴だ。個体変異が多いので、いるだけ採りたいという人が多い。
このチョウをたくさん採りたいと,この地方に移住される人もいると聞いたのにはびっくりした。本来、保護されているはずのチョウであるのだが、採集者のモラルというか、そうした人が今時いることに驚くのである。どうせ撮った標本はその人が死ねばゴミになるのだ。特に定年後にチョウ採りを再開した人に、そういう人間が多いのがとても悲しい。
いつもの場所ではオス2匹だけ、撮影がてら見回りに来られた隣町のチョウの保全をやられている清水さんに会って、いろいろアサマシジミの現状について教えていただいた。
これからは希少種は清水さんのように写真で撮ることをおすすめします。生きもの写真リトルリーグクラウドファウンディングをご覧下さい。おかげさまで,多数の方からご支援いただいています。

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