ミノルタSR-1は1960年発売、ぼくが中学生のころの発売。高校の2年の時、ぼくはペンタックスを使っていたが、クラスで一眼レフカメラを持っていたのは、ぼく以外は写真部の男が一人いただけだった。その彼が持っていたのがSR-1である。その当時、ペンタックスとミノルタは一眼レフを大衆化させた重要な役割を担っていたのである。
当時のカメラメーカーでマクロに力を入れていたのはニコン、トプコン、ミノルタであろう。ニコンやトプコンが専門家向けなのに対し、ミノルタはアマチュア向けのマクロ撮影用具に力を注いだカメラ会社であると思う。各メーカーともベローズ専用のヘリコイドのないマクロレンズを生産していた。当時のベローズ用マクロレンズは絞りが自動絞りになっているものが多かったが、ベローズの方はたいていダブルレリーズで絞りを絞り込んでシャッターを切る仕組みになっていた。コピースタンドなどにカメラを固定して撮影することを想定した作りである。
これだと野外でははなはだ使いにくい。シャッターを切ったら絞りが絞り込まれる仕組みでないと、動き回る昆虫の撮影は難しい。そんな中で日本ではミノルタが唯一、完全自動絞りのベローズを生産していたのである。自動絞りのきくレンズはオートベローズロッコール100mm/4と50mm/4の2種類であった。100mmで等倍以上,50mmで2倍以上の撮影が可能であった。
ミノルタSR-1にオートベローズを付けてみた。このベローズがいつからあるかは調べていないが、大学の時には存在していたと思う。自動絞りのベローズ用レンズを付ければ100mmベローズマクロで等倍、50mmベローズマクロで2倍近くまで完全自動絞りで使える。当時、高倍率マクロを完全自動絞りでこなせる一眼レフはミノルタ以外にはなかったのである。
実はぼくは、大学当時はそんなことは知らなかった。知っていたら購入していて、もっと早く写真が上手に撮れたのか、それとも苦労したおかげで、上達は遅かったけれど、何とかなったのかはわからない。
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