コーワSIXはぼくが初めて購入したブローニー版のカメラである。確か1971年のことである。このカメラが発売されたのは1968年だ。ハッセルと同じくレンズシャッター式の一眼レフでスペックはほぼ同じ。値段は数分の一だから、貧乏人のハッセルなどと呼ばれた。
何でこのカメラを買ったかと言えば、唯一知り合いだった山岳写真家の青野さんが、プロになるんだったら中判の一台ぐらいは持ってないとねという一言、コーワの会社を紹介してくれ、直接コーワの光学機器部から購入した。コーワと言えば薬のコルゲンコーワが有名だが、実は様々な部門がある総合企業である。カメラは残念ながら生産をやめてしまったが、野鳥観察の巣ぽっちんぐすこープなどでも著名であった。
このカメラはレンズシャッター式だからストロボが全速同調する。けれど当時は全くのカメラのど素人だから、日中シンクロなどと言っても何のことかよくわからなかった。だいたい虫は接写になるのでちょっと絞ればシャッター速度は1/60以下になってしまうから、当時のぼくの撮影方法(単に虫を大写ししていたと思う)では高速日中シンクロは実は必要なかった。
レンズは1本だけコーワ110mmマクロを購入した。マクロと言っても接写は70cmぐらいまでしかできないので接写リングを購入した。このカメラで初めて写したのは小諸の近くの追分が原でオオルリシジミであった。追分のオオルリシジミはもういなくなってしまったようだが、カメラはまだ健在でちゃんと写真が撮れる。
コーワには顕微鏡用のシャッター付きのアダプターなどもあり、なかなか充実したカメラであった。このカメラで撮った写真はこちら
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