今日はちょっと話題を変えてフイルムの退色の話。古い写真を久しぶりに見ると、年月が経つてぼくの記憶が褪せるように、カラーフイルムも色褪せてしまっていた。そうして古くなったフイルムを見ていると、色褪せるのもあながち悪いものではないなと思う、けれどモノクロプリントの古いものがセピア色に変色するのとは違って、あまりよい感じにはならないのが残念。
特に70年代の半ば頃までのポジフイルムの退色は著しい。当時はフジ、サクラ、コダックのエクタ、コダクロームを使っていた。
フジのポジが著しく赤みを帯びてしまっている。エクタは色が薄くなっているものが多く、赤っぽくなっているものもある。、サクラも勿論変色している。けれどもともと派手すぎるきらいがあったのが、派手さが抜けて、今見るとあまり退色していないように見える。コダクロームは退色が少なく、ポジではもっとも保存がよい。70年代後半に入ると急激にフイルム自体がよくなってきた。
上は1970年フジで撮影したクアラペルリスの港。ランカウイ島への渡し船が出る港だ。2枚目は同じ年に初めて撮影したアカエリトリバネアゲハ。サクラでの撮影だ。フジは自動コントラストをかけたので、これでも実際より色が濃い。赤っぽいが夕方の撮影ではない。
今はデジタル時代。色が褪せることはないが、保存していたものが突然なくなったりすることもある。CDRやDVDに焼けば大丈夫というのはちと甘い。ぼくの場合1999年頃のCDRはほぼ全滅だ。メーカーにもより、だめなものは決まったメーカーのものだ。当時はCDだって高かったから、安物を買ったのがいけなかったのか。ハードディスクに保存してもハードディスクもいつかは壊れる。ぼくの経験では5年経ったら壊れることがあると思ってよいと思う。1年以内に壊れたものも2台あった。かなりの数のハードディスクが現実に壊れている。結局は複数のハードディスクに保存するというのが一番安全で、効率がよい。ハードディスクはアクセスが速いし、2台まとめて同時に壊れることは普通はない。
◎デジタルフォト連載、今月はスペシャルで8ページ。ペルーのチョウやハゴロモ。ユカタンビワハゴロモも載っています。岩合さんのパンダの良い写真がギャラリーにあります。
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