印刷と製本をのぞき、全て自分で制作した写真集が完成しました。この写真集はここ数年で撮影した新作多数が入っています。25*25cmでカラー70ページです。本屋では売りません。写真展会場とホームページでのみ買えます。自信作です。このページのwnnメールで申し込んでいただければ郵便振替用紙を入れて発送します。発送は今月末になります。送料込みで2800円ぐらいです。
写真集のあと書きより
平凡社より出版した「昆虫の擬態」で94年の日本写真協会年度賞を頂いたり、98年福音館より出させていただいた「蛾蝶記」も産経児童出版文化賞の推薦になったりした。これらはいずれも昆虫の世界の面白さを伝えようとした写真集である。そういった本を出版するのは意義あることではある。しかし、純粋にそして漠然と昆虫の世界に抱いている幻想のようなものをまとめた写真集は1980年の「チョウの世界」以来、作っていないことに気づき、無性に写真集を作りたくなった。
でもそういった作品集は自己満足のものだから、本屋で売るのもおこがましい。だいたいそんなものは商品価値がないであろう。そこで出版社から出すのはやめにして、この際、自分で自費出版をしてしまおうと思った。それでも忙しさや予算のこともあり、決めたのは写真展の何と1ヶ月前だ。
プリントも作らなければいけないから、もう時間がない。そこで大急ぎで自分でレイアウトをして、とりあえず写真を色分解してもらうことにした。そうしないとプリント製作が間に合わないのである。こんな風にしてバタバタと作った作品集だが、できのほどはいかがであろうか。
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今回の写真集は最初、自薦名作集にするつもりだったが、それではちょっと情けない。というのは人間も写真も完成してしまったらつまらないと思うからだ。発展途上が面白い。そこで昨年と今年撮影の写真を主に選び出したが、何故か最初の想いが尾を引き20年以上前の写真も入れてしまった。
この写真集で作者の意図するところは、虫にも人にもそれぞれの世界があり、小さな虫たちにとって私たちが見過ごしてしまう道ばたの小さな自然も重要な意味を持っていることをあらわすことだ。
人はこの星は自分のものだと思っているからそれでよい。そこでこの写真集では虫が「この世の主人公のように振る舞って欲しい」という願いを込めて撮影したものを選んだ。虫の星に私たちは暮らしているのである。
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