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Twitter累計1000万超えのインプレッションを記録した漫画術「#新人漫画家と編集者」が書籍化。WebやSNS漫画でサバイバルする方法を収録

  • 2023年7月5日
  • Walkerplus

「魅力的なキャラタクーを作るには?」「連載化できる物語とは?」「気が合わない編集者と付き合う方法は?」など、新人や若手の漫画家なら気になって仕方がないテクニックを、惜しげもなくTwitterで紹介してきた漫画家の洋介犬さん。この一連のツイートは、累計1000万インプレッションを超える大きな話題となり、遂に「#新人漫画家と編集者」のタイトルで書籍化され、2023年6月15日に玄光社より発売された。

本書には、驚異の100億PVを記録した作品を含む、数々のWeb漫画を描いてきた洋介犬さんが指南する“Web・SNS漫画時代のサバイバル術”をはじめ、漫画業界を震撼させる恐れを知らない数々の裏話や逸話を豊富に収録。そうした異色の内容が評判となり、Twitterに続々と称賛の声が寄せられ、熱い注目を集めている。そこで今回、本書を担当した玄光社の編集者、鷲谷草詩さんにインタビューを敢行。企画のきっかけから読みどころまでを、担当編集者の視点から語ってもらった。

■「悩める漫画家さんたちを救済する書籍をめざして」
企画の立ち上げは昨年の末頃。洋介犬さんが人知れず、若手漫画家たちの活動をサポートしていることを知ったのがきっかけだったという。

「漫画家の方々は一人で黙々と創作に向き合うのが仕事です。だからこそ、新人や若手の方は相談する相手がいなければ深く悩んでしまうこともあるようです。そういう方々を、洋介犬さんはサポートしながら、『いつか、悩める漫画家たちを救済できる、悩みの受け皿になるような書籍をつくりたい』という思いを持っておられると知人を通して聞きました。だったらその思いに応え、いっしょに書籍を作りたいと思いました」

その後、洋介犬さんと共に書籍づくりをスタート。数カ月にもわたる制作期間の中で、鷲谷さんを驚かせたのが「洋介犬さんの底知れない情熱だった」と話す。

「洋介犬さんは常に5本〜7本の連載を抱えているにも関わらず、とにかく原稿を書くのが速いんです。最初の原稿で言うと、書き始めてから1カ月ちょっとで完成していたように記憶しています。お正月明けには、ほぼ全ページに近い原稿が届いたので、確認するこちらの方が必死でしたね(笑)。それだけ、本書に対する情熱を感じられました」

また、「イラストがあった方が、もっとわかりやすくなる」との思いから予定になかった描き下ろしのイラストを数十点描き加え、さらには、装丁や本文デザインについても一切の妥協なく、二人三脚で作り上げていったと話す。

こうして完成した本書には、「キャラの強さは他人に言わせるのが有効!」「共感は、立場や身分じゃなく状況が生む」「ネーミングは厨二病的がいい」「エモいは、重ねから生まれる」など、これまでにないテクニックの数々が紹介される骨太の内容となった。

その中で、鷲谷さんが「洋介犬さんの覚悟を感じた」部分として紹介してくれたのが、漫画編集者との付き合い方に触れられているパート。この部分には、漫画業界のみならず、「コンテンツ業界全体にも関わる辛辣なメッセージが込められている」と語ってくれた。

「『ヒットの法則を知っている編集者なんていない』とか『編集者の言うことを100%受け入れる必要はない』など、かなり過激な内容が書かれています。反発も予想される中で、漫画家の方々を悩みから救済するため、これだけ強い言葉でメッセージを届けようとした洋介犬さんの思いに気づき、より一層、力を込めて本書をつくりました。だからこそ、漫画家の皆さんはもちろんですが、それ以外のクリエイターの方々にも、ぜひ本書を手に取ってもらえれば嬉しいですね」

鷲谷さんが言うように、この作品は漫画家だけではなくミュージシャンやライターといった別ジャンルの読者からの反響も見られる。実際、営業術やプロモーション術などは、広くクリエティブ職に関わる人であれば、将来に繋がる何かしらのヒントを得られるだろう。ぜひ一読をオススメしたい。

取材・文=ときお

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