サイト内
ウェブ

イタリア人義父が教えてくれたパスタの作り方。おいしくて簡単だとイラストレシピに10万超えのいいね!

  • 2022年9月30日
  • Walkerplus

パスタといえばイタリア料理の大定番。日本でもすっかり馴染みのある食べ物になり、明太子や納豆といった日本食材と合わせたパスタが好きだという人も多いだろう。しかし、本場イタリアの家庭ではどのように食べられているのだろうか?その様子がうかがえるイラストレシピがTwitterで大きな話題を呼んでいる。

描いたのは、イラストレーター、漫画家として活躍するワダシノブさん(@shinoburun)。ワダさんはイタリア人の夫を持ち、現在イタリア北部の都市・トリノに住んでいる。イタリア生活についてイラストと文章で綴ったエッセイ「いいかげんなイタリア生活」を7月に刊行し、話題のイラストレシピも収録されている。ワダさんに、義父の作るパスタやイタリア生活について話を聞いた。

■麺量以外はいいかげん。旬の野菜で気軽に試してみて
イタリア人夫と結婚し、イタリアに住むことになったワダさん。移住して数カ月、義実家で暮らしていたそうで、その時に義父のジャンニさんの手料理を楽しんでいたそう。「義父は料理が好きで、義母は掃除が好き。逆に義父は掃除が嫌いで、義母は料理が嫌いという見事な組み合わせの夫婦」とのことで、食事はジャンニさんが用意していた。

「私はパスタにあらゆる野菜を入れて作る癖があって、言うなればチャーハンのお米をパスタに置き換えた状態だったのですが、義父のパスタは、野菜は1種類だけ。それも旬のものを使っていました」

イラストレシピでは生トマトのパスタを紹介しているのだが、出てくる材料はトマト、1人当たり80グラムのパスタ、粗塩、オリーブオイルの4品と実にシンプル。トマトを多めのオリーブオイルで炒めて、放置。パスタを多めの塩で茹でて、トマトを炒めたフライパンに移して和えたらできあがりだ。

「よく、パスタのレシピで茹で汁を具材に混ぜてソースにするというものがありますが、義父はしていませんでした。義父は基本的にとても雑なんです。パスタをザルにあげたりせず、鍋からそのままフライパンに移すので、自然と茹で汁が入っていたんだと思います。麺が80グラムというのが唯一のルール。トマトを炒めて放置する時もクロスワードをしていますが、それも適当さの表れです。火は本当に弱火、なんだったら止めちゃってもいい、それくらいゆるく作っていました。でも本当においしかったですね」

麺の量が80グラムというくだりには、「少ない!」という反応がTwitterで多く見られた。しかし、これは「イタリアでは、基本的にパスタのあとにメインとなる肉か魚を食べるので80グラムがちょうどいい量なんです」とのことで、イタリアの食文化がうかがえる。

現在、義実家は別の都市にあるが、もともとはイタリア南部のナポリの出身。

「イタリア南部は特にそうなんですが、亭主関白みたいな、家事は全部奥さん任せ、みたいな男性も多いんです。バカンスで遠出する時も妻がアイロンを持参して、夫のワイシャツのアイロンがけをするみたいな話も聞いたことがあります。その点、義父は珍しいタイプでしたね。その影響を受けてか夫も自分で料理をするのでありがたいです」

“ジャンニのパスタ”はTwitterで10.7万いいね(2022年9月現在)を記録。その感想をワダさんに尋ねると「こんなにバズったことがなくって、自分の作品を知ってもらえるうれしさはありましたが、反応の数も膨大で正直追いきれていないです。でも、義父のレシピで作ってみましたと写真付きで報告してくださる方もいて、うれしく思っています」と率直に語ってくれた。

残念ながらジャンニさんは今年の5月に亡くなってしまった。しかし、ジャンニさんのパスタレシピがこうして海を渡って日本で知られ、レシピが残っていくというのが何よりの手向けになるのかもしれない。

■イタリアのビーチで知った「自分の体は誰かに認められなくていい」
そもそも、ワダさんがイラストレーター、漫画家として活動するようになったのは、イタリアで自分でもできることを探した結果なんだそう。

「絵は好きで、美術系の大学にも行って勉強していましたが、当時は仕事にできるとは思っていませんでした。結婚してしばらくした後、2007年にイタリアに渡りましたが、当初はイタリア語がほとんど出来ず、イタリアでの就職は難しかったんです。それでしばらく専業主婦をしていました。ただ、これだと家のことだけになってしまうという危機感もあって、2013年頃からイラストレーターとして活動するようになりました」

イタリアに渡った当初は「『どうして来てしまったんだろう』とよく落ち込んでいました。イタリアの人たちと自分との考え方の違いや、習慣の違いに戸惑うことがたくさんあった」そう。しかし、暮らしているうちにイタリア生活で「好き」なことが増えていき、その思いを発信。2021年3月、WEBマガジン「WANI BOOKOUT」から声がかかり、「多分、なんとかなる イタリアその日ぐらし」の連載がスタートした。“ジャンニのパスタ”や、Twitterで5.7万いいね(2022年9月現在)と好評を博した“好きに装えるイタリアのビーチ”(Twitterでは“水着を着れるようになった話”として発表)もこの連載のために描かれた作品だ。

“好きに装えるイタリアのビーチ”では、他者からのさまざまな指摘が重荷になって、肌の露出が多い水着を着られなかったワダさんが、イタリアのビーチでその呪縛から解放されたエピソードを描いている。著書の中で「『肌は露出してこそ美しい!』という風潮は正直苦手」「小さいうちから『女であれ』というイタリアの風潮には居心地が悪く感じることもある」としつつも、イタリアのビーチで年齢や体型を気にせず水着姿を楽しんでいる人々を見て、「どんな装いをするかは、自分が決めることだから、他人が何を着ていようと、トップレスでいても、どうでもいい。誰かの見た目をジャッジして、回り回って自分の首を絞める必要はない」と書いているのが印象的だ。

「もちろん、高級レストランのようなところにTシャツに穴の開いたジーパンみたいな格好をしたら、それはちょっと違うよねとなりますが、人の外見についてコメントをしないという考えが浸透しているんです。特に体型については顕著で、太ったねとか痩せたねとか言うと失礼だ、となりますね」とイタリア事情を教えてくれた。

ワダさんは日本を下げてイタリアを上げているわけではない。日本には日本の良さがあり、イタリアにはイタリアの良さがある。その国の国民性や習慣は、その国の歴史や風土が積み上げてきたもので、それを否定する必要はない。ただ、もしあなたが窮屈さや息苦しさを感じることがあるならば、イタリア生活から心を軽くするヒントが得られるかもしれない。

取材・文=西連寺くらら

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 2022 KADOKAWA. All Rights Reserved.