
1,000円以下という低コストで一式そろえて栽培できる、コストパフォーマンス抜群のプランター家庭菜園!ここでは、手のひらサイズで料理に使いやすい「ミニカボチャ」をご紹介します。育てるのも比較的簡単なので、家庭菜園初心者さんにおすすめです。
ミニカボチャとは(特徴)
南アメリカ原産。カロチン、ビタミンを含む栄養価の高い緑黄色野菜です。
生育適温が18℃~21℃なので、プランター栽培向きの野菜です。
土を選ばず、やせた土でも栽培でき、病害虫の被害が少ないので楽ですが、気温が高くなると雌花のつきが悪くなるため、高温期にかからないように栽培しましょう。
■基本情報
[ウリ科]
・スタート:春
・収穫目安:2ヶ月
・水やり:毎日
・日当たり:良い場所
栽培カレンダー
育て方
STEP 1 準備するもの
材料費:約950円
苗は子葉がついていて本葉が4枚~5枚あり、間延びしていないものを選びます。
つる性なので支柱を設置するため、深鉢のプランターが適します。
土は元肥がしっかり入ったものを選びます。植え付け前に新聞紙を土の上に敷いて地温を高めておくとよいでしょう。
STEP 2 植え付け
苗を指ではさみ、根鉢のポットをそっと取りはずす。

根鉢の表面の根が見えるぐらいの浅めに植え付け、株元を軽く押さえて根の活着を促す。
STEP 3 支柱立て
つるが巻き付きやすいように、支柱を立てる。 ミニカボチャといっても重量はあるので交差組型やあんどん型が適する。支柱にネットをかぶせてもよい。
STEP 4 摘心(てきしん)
本葉が5枚になったとき、親づるを摘心して2本仕立てにする。摘心した下部の子づるを3本~4本伸ばして実をつけさせる。

〈2本仕立て〉
STEP 5 受粉
●雌花
花びらの元がぷっくりふくらんでいるのが雌花。開花した早朝に受粉すると成功率が高い。

●雄花
雄花は花びらの根元がふくらんでいない。中心部分に花粉をたくさんつけている。

雌花が開花した早朝に受粉する。雄花の花弁を全部取り除き、雌花の中心部分に花粉をつける。
【ここがPoint】 人工受粉で確実に結実させよう!
昆虫類の飛来が少ない場合は雄花を摘んで人工受粉をするとよいですが、筆の先に花粉をつけて雌花の柱頭へつけるのも効果的です。
雄花が咲いた早朝に、筆先に花粉を付着させ、雌花の柱頭につける。

受粉日を記したラベルをつけておくと収穫日の目安がわかりやすい。

受粉がうまくいかなかった雌花は、果実が黄色く変色して落果する。
STEP 6 収穫
受粉が成功したら緑の実が少しずつふくらんでくる。子どもの握りこぶしぐらいの大きさになったら追肥を施しはじめる。それまでは行わない。

ある程度の大きさになったら玉直しを行う。果実をくるっとまわすことで、かぼちゃの形が整えられ、実の色もきれいな緑色になる。

ヘタの部分にコルク層があらわれてきたら、収穫の時期。ヘタの部分を2cmほど残してハサミで切り落とす。
ミニカボチャにまつわる豆知識
■収穫したカボチャは風通しのよいところに置く!
収穫後は、風通しのよい場所で1週間~10日ほど置いておきます。これを「風乾」といいます。
そうすることで果実のでんぷんが糖に変化し、甘みが増してきます。果肉が黄色から橙色に変化し、ホクホク感が増します。

収穫したてのものより、少し置いたもののほうがおいしい!
■種まきして苗をつくる!
カボチャ類は種からでも失敗は少なく、苗づくりまでできます。
とくにカボチャの種は常温でも3年~4年は保存できるため、種が余っても心配ありません。土は市販の種まき用土を利用するとよいでしょう。
1.種は品種によって形がさまざまだが、中身がしっかり入ったものをまく。

2.尖ったほうを下向きにしてポットに数粒まき、1cm~2cm程度覆土する。

3.本葉が展開したら、1株ずつポットに植え替える。そのとき、根を切らないようにそっと行う。

4.本葉が4枚前後になったら、プランターに定植する。
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