
肉や魚のくさみ消しなどによく使われるハーブ「タイム」。加熱しても香りが飛びにくく、オーブン料理に向いています。ここでは基本の育て方、成功させるためのポイントやコツ、活用方法などを写真付きで解説していきます。
タイム 基本情報
肉料理のくさみを消し、さらに料理にコクと風味を加えるので、西洋では古くから利用されてきました。初夏に白やピンク色の小花をつけ、強い香りを放ちます。
せき、たん、ぜんそく、胃痛などの改善に効果があります。歯痛にはハーブティーでうがいをするとよいといわれています。
・別名:タチジャコウソウ
・科名:シソ科 宿根草
・原産地:地中海沿岸
・草丈:10~30cm
・利用部分:花・葉・茎
・利用法:ハーブティー、料理、バス、ポプリ、クラフト
栽培カレンダー
※元肥は苗の植えつけ時に与えてください
育て方
★苗から育てます
01 植えつけは春か秋にしましょう。葉色のよい苗を選びます。

02 タイムは水はけがよくないとよく育たないので、水はけのよい土と5号鉢以上の容器を用意しましょう。

03 ポットを逆さにすれば、上手に苗をとり出すことができます。

04 苗を実際に置いて様子をみてみましょう。根元がやや高くなるようにすると、水はけがよくなります。

05 鉢と苗の間に土を入れ、苗を安定させましょう。

06 根元が少し高くなるように、根元に土を寄せます。

07 底から流れ出るぐらいたっぷり水を与えます。2~3日の間日陰に置きましょう。

08 葉は1年中いつでも収穫できます。茎葉が伸びてきたら、枝ごと収穫していきます。下の方の葉を残しておけば、また葉が生えてきます。

09 収穫したら水で軽く洗って食卓へ。タイムは葉が小さいので、枝ごと利用します。

10 株が大きくなってきたら、大きめの容器(7~8号鉢)に植え替えます。

11 初夏に白やピンク色のかわいい小花が咲きます。タネから育てた場合は、開花は2年目になります。

12 茎葉が茂ってくると風通しが悪くなります。こまめに収穫して、風通しをよくしてやりましょう。

13 花が咲き終わったら、茶色く木のようにかたくなった(木質化した)古い枝を根元近くで切ります。これを切り戻しといいます。

14 切り戻しすると株の負担をやわらげることができます。色のよい若い枝を残しておくと、また新芽が出てきます。

15 切り戻したら、肥料を追加してやります。これをお礼肥えといいます。化成肥料をパラパラとまきましょう。

16 株が古くなると、枝が木質化してきます。4~5年はもちますが、さし木で更新した方がよいでしょう。

「木質化した枝」
17 タイムはさし木でかんたんにふやせます。若くてやわらかい枝より、木質化した枝の方が早く根が出ます。
成功のコツ
★日当たりと水はけをよくしよう!!
植えつけをして苗が落ちついたら、日当たり・風通しがよい場所に移します。日当たり・水はけがよければ、タイムは上手に育てることができます。
暑さ、寒さに強く育てやすいハーブですが、多湿が苦手なので、水やりは控えめにしましょう。水やりのタイミングは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えるようにします。
★収穫はこまめに!!
タイムは枝葉が茂りやすく、放っておくとすぐボウボウに伸びてしまいます。特に梅雨期は、風通しが悪いと病気や害虫が発生しやすくなるので、注意しましょう。適度に枝を収穫して、風通しをよくしてやることが上手に育てるコツです。これを枝透かしともいいます。
収穫しすぎたときは乾燥保存しておけば、必要なときに必要な分だけ使えます。
みんなの活用法
■魚料理とも相性はばっちり!!少しタイムをのせるだけで風味がよくなります!

■ハンバーガーにタイムを入れました。おいしさアップ!

■カボチャとバジルとタイムのチーズ焼き

■タイムとローズマリーのガーリックオイル

■サーモンにレモンタイムを添えて風味をプラス!

■水にさしてインテリアにしてもよいでしょう!
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