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雪と氷のさまざまな“姿”

  • 2019年1月17日
  • NACS-J

尾瀬・奥日光の冬景色

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イワスゲについた樹霜。風が吹き、気温が下がった夜間に発達し、日の出とともに消滅することが多い。
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日光白根山山頂の樹氷。気温が低い高山によく見られる。
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日光白根山弥陀ケ池の赤渋。紅藻類と鉄バクテリアの働きで雪や氷が赤く染まる。
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波状雪。一度積もった雪の表面を、強い風が削りはがしてできた雪面模様。地吹雪が止んだ後でよく見られる。
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雪まくり。樹木などから落下した雪が斜面を転がりながら、表層の雪を巻き取って成長する。降雪が止み、その後の強い日射によって積雪の表層だけが激しく解け、粘着力が強くなってまくれ上がる。


積雪と残雪を観察してみよう

雪国では、雪が消えた後に道路脇で緩んだガード・ロープやひしゃげたガードレールをよく見ますが、これは積雪の沈降力によるものです。
地上に舞い降りた雪片は、次から次へと上に積もる雪の重みで圧縮され、隣り合う雪片同士の結合が強くなります。積雪の中に埋まった雪片にかかる力は、その上に載った雪の重みだけでなく、結合した周囲の雪の沈降によって下方に引っ張られる力も加わります。この力が「沈降力」と呼ばれるもので、ときには校庭の鉄棒やガードレールを曲げるほど大きな力になります。積雪内に埋まった樹木の横枝などは簡単にへし折ってしまうのです。

また、斜面に積もった雪は、大なり小なり斜面に沿ってずり落ちるので、低木は倒され、中高木は根が曲がります。急斜面上の積雪は雪崩を起こすので、雪崩の常習斜面では樹木が生育する間がない裸の土地・地形ができます。

春になって雪解けが進むと、ほぼ毎年同じ所に雪渓が残ります。遅くまで残雪する場所は雪の吹きだまり地か、雪崩の停止・堆積地点のいずれかです。残雪の分布を観察することで、冬の間の主な風向やおおまかな雪の動きを知ることができます。山岳地帯の雪の状態は、現場での直接観察が困難な厳冬期よりも、むしろ春の雪解け時期の方が把握しやすいといえます。
皆さんの地域の雪がどんな姿をしているか、一度じっくり観察してみてください。

文:松田益義/写真:杉原勇逸

出典:日本自然保護協会会報『自然保護』

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