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(NY)vol.3 ニューヨーカーの圧倒的な支持を得たホールフーズマーケット。
Part 3 コロンバスサークル店

  • 2006年2月1日

豊富なオーガニックパッケージ食品

 パッケージ、冷凍、冷蔵、缶、瓶製品を揃えたグロサリーセクションはやはり、ナチュラル、オーガニックの文字が製品のいたるところに見受けられる。パッケージ製品の60パーセント程がそれらの製品で棚を埋める。オリーブオイルからパスタ、乳製品まで、これほどオーガニック、ナチュラル製品が市場に出回っているのかとその豊富さに驚かさせられる。通常のスーパーに並べられている、すべての商品がオーガニックで入れ替えられた様にも思えるほど。

NY最大面積、ホール・ボデイーショップ

 通常の食品スーパーでは見られないのが、サプリメント、健康食品、自然化粧品、美容製品を扱うホール・ボデーショップ。NYでは最大の面積というこの売り場には、ビューテイ—センターがあり、製品の体験が常時でき、デモンストレーションが催されている。バス、スパ、アロマ療法、指圧などが人気を呼んでいる。

選択が豊富なプリペアドーフード(惣菜) セクション

Sushiカウンター
惣菜売り場でも大きな面積を占める、Sushi
カウンター。

 店内で最大の面積を費やし、最大の集客力を誇るのが目方売りで、種類が選べる惣菜売り場、プリペアード・フードセクション。朝は、玉子料理、パンケーキなどが揃い、昼前にはベーカリー、ペーストリー、サラダ、パスタ、ピザ、スシを含めたエスニック料理、肉、鳥料理などのセクションが開店する。
 どのセクションも売り場の横に備えられたコンテーナに好きな料理を、好みの量をいれ、レジで清算するセルフサービス。肉料理などは、焼きあがった大きな塊を、好みの厚さで、好みの量をスライスしてくれる、さながらホテルのビュフェ風。ピザやスシ、ロースト肉売り場など、サービスが欠かせない売り場には対面販売が導入され、サービス重視の考え方が伺える。
 レジを済ました後は、250席の広さのカフェで食べてもいいし、天気の良い日には、アウトドアーでランチを楽しむこともできる。

不公平さを取り除いたレジでの清算

 さて、最後は、ショッピングした商品の支払いを済ませるレジである。ここにも、WFMの独自なサービスが生かされている。米国の食品スーパーで不満の多いのは、レジでの待ち時間である。商品の選択を終えさらにレジでの待ちに時間を費やす事は、誰もが不満を示す。

テイクアウトのランチ
買い物のあと、テイクアウトで買ったランチで、
ほっと 一息
Photo: courtesy of wirednewyork:
www.wirednewyork.com
デザートバー
食事の後は、デザートバーで

 WFMには20台ほどのレジ台が設備されているが、ランチ時、退社時さらに週末には混雑するので、レジにどうしても列ができてしまう。普通は、列の短そうなレジを選び、そこに並んで順番を待つという方法が取られる。だが、これではどうしても不平等が生じやすい。自分の列の前の客が大量の買い物をし、清算に時間がかる時には、別の列に後から並んだ客が早く清算を終えるという、不公平さが生じるからだ。待っている客の苛立ちも高まる。このような不公平さと客の苛立ちを除くために、WFMでは列の先頭で、店員が空いたレジ台へと客を誘導するという方法を取っている。これで、清算がスムーズに済み、客の待ち時間も短縮でき、何よりも不公平さを取り除き、客への満足感も高まる。ショッピングを楽しく経験し、満足感を客に味わってもらうWFMのフィロソフィーがこんなところにも生かされている。

 顧客を大切にする社訓はどこにでもある。だが、それを実際に客の立場で経験できる店はそれほど多くはない。WFMのモットーに「我々は、食全体、人類全体そして地球全体を理想とすることであり、それは食品販売店の考え方を遥かに超えるものである」さらに「我々の成功は顧客の満足度によって計られる」と言うことに現れている。
 NYに立ち寄った折には、ぜひ経験してみる、価値のある店でもある。

消費電力を風力発電で…

 最後にWFM社は今年の1月に同社が年間消費する全電力(全店舗を含む)45万キロワットをコロラド州ボールダーに本社を置くリニューアブルチョイス・エネルギー社の風力発電でまかなうと発表。(実際には、45万キロの電力料をリニューアブルチョイス社に支払いそれを、従来の発電力と交換するエネルギークレジットという形式)これにより、年間7億ポンドのCO2が減少し、これは6万台の車が排出する量に匹敵するという。


Paul Yamaguchi

■ 筆者紹介
Paul Yamaguchi
東海岸ニューヨークからはトレンド情報誌の先がけとなった「PRONTO」や「USフードジャーナル」の編集長を務め、現在は健康食品ビジネスコンサルタント会社を運営し、英文の日本の健康食品市場レポートを発刊しているポール山口さんがレポートします。

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