また、中古の洋服や古着は、独特の匂いがすることも多いのですが、ブティック化した(中古品取扱)店では、そのような香りですらさせません。そして中古品だからお安いという固定概念を打ち砕かされることも多いです。中古であろうと、物の質が良ければ、良い状態の物であれば、それ相当の値打ちが付き、買い手がいるというのも注目したい点です。
先ほどボールダーの平均年齢が31歳と言いましたが、ボールダーの中古品のブティックでは、老若男女のお客様が買い物をしています。お店の中には、コロラド大の学生をターゲットに、学生に人気のファッションを中心に取り扱っている店があったり、もっと幅広い年齢層をダーゲットにしてヨーロッパブランドの中古品を取り扱っている店など色々あります。
もちろん中古品は、知らない人の使い古しだから気持ちが悪いと言って、敬遠するアメリカ人もいないわけではありません。しかし、スタンフォード大学を卒業してボールダーでカウンセラーをしているバレリー(50歳)は、「この前、中古のお店で、ネックレスとピアスとブレスレットの3点セットを買ったの」と言いながら、パーティーで友達に披露していました。
ニューヨーク出身のタラ(35歳)は、週に1回は仕事の後に、コンサイメントのお店に立ち寄り、着なくなった洋服を委託販売したり買い物をしていると言っていました。
コンサイメントのお店を利用すると、自分の洋服のバラエティーを早く回転させることができるので、おしゃれの幅が広がって便利だと考えるボールダー人も多いです。
アメリカ人の思考が比較的合理的であるというのもありますが、ボールダーという土地柄、ナチュラル思考が強く、スローでゆったりしていてあまり細かいことにこだわりを持たない人たちが多いというのも、ボールダーでこのようなコンサイメントや中古品のストアが、あまり偏見なく受け入れられているというのも特徴的と思います。
日本では、中古のブランドのバッグやアクセサリーを購入するというのは、比較的受け入れられているようですが、こちらではブランド物に限らず、ブランドでない、ごく普通のTシャツから、ジーンズ、靴、ジャケットなど、様々な物が販売されています。コンサイメントのお店では比較的簡単に委託販売できるので、自分の要らなくなった物を委託販売や中古品の店に売り、その自分の物を売った店で、次に使えそうな物を購入するという再利用のシステムは、ボールダーでは、とても日常的なことです。
コンサイメントや中古品の店の中では、ただ洋服やバッグにアクセサリーを売っているだけでなく、精力的に年に数回 顧客を招待してファッションショー、リフォームのクラスの開催や、プライベート・パーティーとしてお店の貸し出しなどを行っているお店も多いです。中古の品だから、他人が着古した物だと思って、敬遠しがちですが、こんなおしゃれなお店でのお買い物だったら、意外に気に入った物が見つかるかもしれません。