わが家の冷蔵庫の野菜室から、時折発掘されるごぼうのミイラ...。
独特の風味が大好きで、買う機会も多いのですが、つい、使いかけを無駄にすることがあります。泥を落として、固いごぼうを切ってと、毎回あの下ごしらえが億劫になってしまうのは、私だけではないですよね?
もう二度とごぼうを無駄にしない、何かいい方法は?という質問に、人気料理家の藤井恵さんが、おいしい保存アイディアを教えてくれました。
「ごぼうはフライパンに入る長さに切って、まとめてゆでておくといいですよ!
じっくりと蒸しゆでし、ごぼうのうまみと栄養がしみたゆで汁は捨てずに、ごぼうに全部吸わせて。さらに、めん棒でたたいておくと、繊維がほぐれて食べやすくなります。
食べやすい長さに切り、保存容器に入れて冷蔵庫へ。ストックしておけば、必要な時にパパッと一品作れて便利です」
▶︎教えてくれたのは
藤井恵さん
料理研究家、管理栄養士。女子栄養大学卒業後、料理番組、フードコーディネーターのアシスタントなどを経て、現在、テレビや雑誌、書籍などで活躍中。素材の持ち味を生かした、シンプルでいて工夫のあるレシピに定評がある。
たたきゆでごぼう
まとめて1袋をおいしく使い切り! 3〜4日間、冷蔵保存OKです。
【材料・作りやすい分量】
ごぼう(たわしでよく洗う)…4本(約400g)
塩…小さじ1/2
【作り方】
1 ごぼうはフライパンに入る長さに切る。フライパンに水3カップ、塩を混ぜ、ごぼうを加えてふたをし、強火にかける。煮立ったら強めの中火にし、約20分蒸しゆでにする。ふたを取り、水けがなくなるまで4~5分煮る。
2 粗熱をとり、めん棒などでたたいて、5~6cm長さに切る。
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「たたきゆでごぼう」を使ったアレンジレシピ
たたきごぼうのナムル
「たたきゆでごぼう」があれば、実働ほぼゼロで即完成。ごぼうの風味と、ごま油&にんにくの香りが相性抜群!
作り方
ボウルにごま油、塩、にんにくをよく混ぜ、「たたきゆでごぼう」を加えてあえるだけ! お好みで一味とうがらしをふってどうぞ。
ごぼうと豚こまの梅オイスター炒め
豚こまと合わせて、ボリュームおかずに。濃厚なオイスター味に、梅の程よい酸味があとを引きます。
作り方
豚こま切れ肉に酒、片栗粉で下味をつけます。フライパンにごま油を熱して豚肉、「たたきゆでごぼう」を順に加えてそのつど炒めて。梅だれ(梅肉、オイスターソース、しょうゆ、水)を加え、炒め合わせればでき上がり。お好みでパクチーを添えても。
ごぼうの竜田揚げ
甘辛く下味をつけたごぼうに香ばしさが加わって、箸が止まらなくなること必至! おつまみにもおすすめです。
作り方
「たたきゆでごぼう」に、おろししょうが、しょうゆ、みりんでしっかりと下味をつけます。片栗粉をたっぷりとまぶし、2~3分おいてなじませて。フライパンに揚げ油を1cm深さまで入れて高温に温め、ごぼうをからりと揚げて完成です!
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ゆでたごぼうをたたいて繊維を壊すことで、味しみがよくなるのも◎。あえもの、炒めもの、揚げものと、アレンジも簡単ですね。
これからは、「ごぼうは買ってきたらすぐゆでる!」を実践します。
レシピ考案/藤井 恵 撮影/木村 拓 スタイリング/佐々木カナコ 栄養計算/スタジオ食
編集協力・文/singt