睡眠をよくとり、バランスのいい食事を心がけているのに、なぜか老けて見られがちなことはありませんか? それは、もしかしたら「隠れ貧血」が原因かもしれません。
今回は、管理栄養士の筆者が、意外と知らない「鉄分不足のワナ」をご紹介します。鉄分不足を解消して、身体の中からアンチエイジングを目指しましょう!
鉄分が不足すると顔色が悪くなり、疲れがとれにくくなるため、「いつも疲れている人」=「実年齢より年上にみられがち」という風につながってしまいます。
下記の項目に当てはまるかチェックしてみましょう。
□疲れやすい
□寝ても疲れがとれない
□寝起きが悪い
□イライラする
□肌荒れしている
□めまいがする
□頭痛が治らない
□浮腫みやすい
□身体がいつも冷えている
上記の内容にひとつでも当てはまると、「隠れ貧血」の可能性があります。
「鉄分不足」で身体に起こること
なぜ、鉄分が足りないと「隠れ貧血」のような症状が起こるのでしょうか。
食事で摂る鉄分は、血液の中にある「ヘモグロビン」という成分の材料になります。ヘモグロビンは、身体中に酸素を運ぶ役割を持っています。
ヘモグロビンが足りないと酸素が十分に届かず、細胞が酸欠の状態となり、隠れ貧血のような症状が起こるのです。
では、「隠れ貧血」はどう見つけるのでしょうか?
健康診断で貧血の目安にしている数値は、「ヘモグロビン」になります。
ヘモグロビンの基準値は、男性:14〜18g/dl、女性:14〜18g/dlです。ヘモグロビンの数値がこれより低いと「鉄欠乏性貧血」と診断されます。
隠れ貧血を見つける鍵は「フェリチン」
しかし、「隠れ貧血」を見つけるにはヘモグロビンではなく、「フェリチン」という鉄分を図ってもらう必要があります。フェリチンの基準値は、男性:20〜280ng/ml、女性:5〜157ng/mlです。
フェリチンは、肝臓や脾臓の中で「貯蔵鉄」をたくわえるタンパク質で、常にヘモグロビンに鉄を供給する鉄分です。なので、ヘモグロビンが足りなくなる頃にはフェリチンも不足しているのです。
特に女性は、生理の際に20〜30mgの鉄を失っているといわれています。「疲れがとれない・顔色が悪い・痩せにくい」といった悪循環だらけの身体になる前に、健康診断等でフェリチンを測っていただくことをおすすめします。
フェリチン値が低い場合は、積極的に「鉄分」を多く含む食材を食べてください。「鉄分」を多く含む食材は、圧倒的に「レバー」です。
豚肉レバー:13mg
鶏肉レバー:9mg
※食品100g中
このように、レバーには鉄分が豊富に含まれています。トーストに「レバーペースト」を塗って食べると、手軽に鉄分がとれるのでおすすめです。
いかがでしたか? 「なんだか疲れがとれない・寝ても寝てもだるい・年齢より老けて見られがち」という方は、是非フェリチン値を確かめてみてくださいね。
(管理栄養士/おやこ食育プランナー/美食ライフプランナー やなぎさわえりな
「すべての女性は美しい」をモットーに「食べる」ことを通して自分らしく育児も自分磨きも楽しむメソッドを提案。)
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【参考】
※
鉄不足発見の為の検査項目「フェリチン」 – 田中消化器科クリニック
※「血清鉄(Fe)、総鉄結合能(TIBC)、フェリチン(Ferritin)」の検査について(PDF) – 日本衛生検査所協会