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「このコンテンツは、FoE Japan発行の『green earth』と提携して情報をお送りしています。

Vol.13 電力小売全面自由化~自然エネルギーの電力会社を選ぼう!

  • 2016年8月4日
  • green earth

再生可能エネルギーを重視する電力会社とは?

では、「再生可能エネルギーを重視する」電力会社とはどのようなものでしょうか?注目すべきポイントをまとめました。

1.電源構成や環境負荷などの情報を一般消費者にわかるように開示していること
「電力小売営業指針」(2016年1月策定)では、電源構成などの情報開示について「望ましい行為」に留まっています。4月時点で開示していないところが多数ありますが、消費者の声や各地方議会、国会内や与党内でも、開示を求める声があがり、経済産業省も3月末に会見で「調査していく」と発言しています。私たちの声も、確実に力になっています。

 2. 再生可能エネルギーの発電設備(FIT (*4)を含む)からの調達を中心とすること
ただし現在、各社とも再エネ電源の調達に苦心しています。もともと日本の再生可能エネルギーの割合が低く(2014年に大型水力含めて約12%)、かつその殆どが既存の大手電力会社の所有であるためです。新規建設や新規調達は、一筋縄ではいきません。
そのため「再エネ(FIT含む)○%以上が望ましい」と線引きするかどうかは今後の検討事項ですが、できる限りその割合を高める取り組みを応援していく必要があります。

*4 再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)。賦課金を広く国民が負担するため、環境価値は広く分配されていると考えられ、補助を受けない再生可能エネルギーとは区別してFIT電気と呼ばれる。

3.原子力発電所や石炭火力発電所からの調達はしないこと(常時バックアップ分は除く)
原発は問題外!でも、石炭火力発電も、前述のような問題を抱えています。加えて大気汚染・健康影響の問題もあります。

4. 地域や市民による再生可能エネルギー発電設備を重視している
大都市に拠点を置く大会社が実施するプロジェクトよりも、地域の自治体や企業、市民などが主体となったプロジェクトのほうが、地域でのお金の循環や雇用創出につながります。また大規模プロジェクトでは、環境や景観への影響が懸念される場合もあります。市民共同発電など、地域の資源や環境を重視しているところを評価する必要があります。

5. 大手電力会社と資本関係がないこと(子会社や主要株主でない)
既存の大手電力会社も再エネ中心の子会社をつくっていますが、これまでの電力構造を変えるという大局的な見地からみた場合には重要な事項といえます。

現在、これらの方向性を共有する電力会社も各地に多数現れています。パワーシフト・キャンペーンでは、そのような電力会社の情報を可視化し、後押ししていきます。

具体的にどういう電力会社があるの?

 経済産業省に小売電気事業者として申請をした電力会社は、300社以上あります。ただウェブサイトなどの情報だけでは、会社の姿勢や状況などを必ずしも十分に得ることはできません。これを受けてパワーシフト・キャンペーンでは、重視する「5つのポイント」にそった方針を相互に確認し、「苦労していること」や「将来のビジョン」なども含めて紹介しています。
 現時点では、事業準備中・試行錯誤中のところも多く、すべての項目を満たしているとは限りませんが、将来どのようなところを目指しているのかというビジョンが重要だと考えています。キャンペーンで紹介している電力会社は、2016年4月20日現在14社。他にも情報収集を開始しているところが複数ありますので、今後順次追加していきます。

図4:電力会社紹介リスト
図4:電力会社紹介リスト

 多くの市民が、早く再生可能エネルギーの電気を使いたいと心待ちにしています。今すぐに申し込みできるところは、まだ多くないかもしれません。しかし、状況はどんどん変わっていきます。準備中の電力会社もたくさんあり、数ヶ月で選択肢も大きく増えてくるでしょう。今できることは、「再エネ電気を買いたい」あなたの声を可視化すること。まずは「パワーシフト宣言」にご登録ください。

「パワーシフト宣言」http://power-shift.org/declaration
パワーシフト宣言 電力会社各社も、安さの激戦のなかで本当に顧客を獲得できるか、電力調達と販売量の見込みはどうなるか、非常に厳しい中で準備をしています。私たちのまわりの「買いたい」声を、電力会社にも伝え、無事に販売を開始して事業が軌道に乗るよう、後押しをしていく必要があります。パワーシフト宣言をした方には、Eメールで最新情報をお送りしています。
 電力小売全面自由化は、私たちが電気料金の支払いを通じて意思表示をし、未来をつくっていくことができる大きなチャンスです。将来どのような社会をつくりたいのか。安さだけではない選択を、まわりに増やしていきましょう! (吉田明子)

『Green Earth』vol.58 spring 2016より抜粋)

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