茨城県ひたちなか市の太平洋沿いに広がる「国営ひたち海浜公園」は、開園面積215haの広大な公園。春は丘一面をブルーの花で埋め尽くすネモフィラ、秋は赤くて丸いフォルムがかわいらしいコキアが彩る丘の風景が知られています。今回はネモフィラを中心に、花が咲き誇る春の海浜公園をご紹介。レストハウスではネモフィラにちなんだ期間限定スイーツやドリンクを味わってみませんか。
春の「国営ひたち海浜公園」を訪れたら、まずはネモフィラが咲く丘へ向かいましょう。西口・翼ゲートから西池沿いを歩き、園内の北へ向かって10分から15分ほど歩くと見えてくるのが、春の一番人気のスポット「みはらしの丘」。丘を鮮やかなブルーで染めるのはネモフィラの花です。植栽面積4.2ha、潮風に揺れる約530万本のネモフィラは、多くの造園スタッフが毎年秋に種を蒔き、丹精込めて育てています。
緩やかな丘の斜面をゆっくり歩きながら、かわいらしい花畑を眺めましょう。「みはらしの丘」にネモフィラが選ばれたのは、当時の植物管理担当者が、終戦後、米軍の射爆場として使われていたつらい歴史を持つこの場所で「丘と空を同じ色にすれば、過去も忘れられるくらい違う景色になる」と考案したことが始まり。丘に上ると海が見え、花と海と空が一体になった写真が撮れる場所もあるので、探してみてはいかがでしょう。
ネモフィラは例年4月上旬ごろから咲きはじめ、中旬から下旬ごろに見ごろを迎えます。混雑するため、GW前が花もきれいでねらい目だそう。開園か閉園近くの時間帯もおすすめです。
ネモフィラの開花時期に合わせて4月6日から登場するのは「ネモフィラブルーソフト」。みはらしの丘のそばにオープンする特設売店で、毎年販売している期間限定のソフトクリームです。この一番人気のソフトクリームはラムネ、ミルク、ミックスの3種類。上に花型のネモフィラクッキーをのせています。
花畑のそばで販売するので、ソフトクリーム×ネモフィラのフォトジェニックな写真が撮れること間違いなしですよ。ネモフィラの時期限定での販売予定です。
花畑を心ゆくまで楽しんだあとはカフェでひと息を。おすすめはみはらしの丘からも近い「記念の森 レストハウス」です。木々に囲まれた建物の店内は、木やレンガなどがあしらわれ落ち着いていて、大人がリラックスできる空間。コーヒーの心地よい香りが漂います。
大きな窓の外には、松など緑の木々が立ち並ぶ散策路が。豊かな森には野鳥もやってくるので、バードウォッチングにもぴったりです。天気のいい日はテラス席や広場のテーブル席でいただくのもおすすめですよ。
春のネモフィラと秋のコキアの時期には、期間限定の新作スイーツやドリンクがメニューに並びます。ネモフィラの青色を表現するために使われているのが、「バタフライピー」という青い花が咲くマメ科のハーブ。淡いブルーのラテにハートを描き、見た目もかわいい「ネモフィラブルーラテ」もバタフライピーで色付けしています。
「ネモフィラブルーラテ」は県産のはちみつを使用したハニーラテで、やさしい甘さが特徴的。はちみつの風味が広がるラテは体も温まりますよ。
「ネモフィラブルーティー」も期間限定ドリンク。バタフライピーとレモングラスをブレンドしたオリジナルハーブティーです。ネモフィラのイラストがついたティーバッグにお湯を注ぐと、透明感のあるブルーグリーンのハーブティーに。レモングラスの爽やかな甘みとすっきりした味わいで、飲みやすいお茶です。ティーバッグはおみやげ用も販売していますよ。
2024年の新作は「海浜公園のはるいろスペシャルラテ」。生クリームには、カラフルでカリカリのシュガーと花型のクッキーを乗せ、食感も楽しいスペシャルドリンクです。
一番下にはバタフライピーで色付けしたブルーの層を作り、ミルクとエスプレッソコーヒーを注いでいます。本格的なコーヒーのおいしさも味わえる、甘みを抑えた大人のラテに仕上がっています。
コーヒーはひたちなか市に本店がある人気コーヒー専門店「サザコーヒー」の豆を使用。海浜公園オリジナルブレンドを、バリスタがハンドドリップやエスプレッソで抽出しています。「ネモフィラブレンド」はネモフィラをイメージした華やかで、柑橘系のほのかな酸味も感じられる爽やかな1杯です。
茨城県産の食材を使ったスイーツも充実。「ひたちなか干し芋タルト」は、ひたちなか市産「べにはるか」の干し芋とさつま芋を使った一番人気のスイーツ。お芋の甘みがあり、干し芋のねっとり感も感じられるタルトです。
茨城県西部の銘茶「さしま茶」の抹茶と緑茶、県のブランド卵「奥久慈たまご」で作った、きれいな萌黄色のケーキは「さしま茶バターケーキ」。口に入れるとお茶の香りとバターの風味が広がります。ふわふわ食感のケーキを、県産いちごのソースやあんこ、生クリームと一緒に味わって。
2023年に登場した「ひたち おいもTOソフトクリーム」は海浜公園の新名物。小ぶりで食べ歩きにもちょうどいいサイズです。ソフトクリームの下にはキューブ型のスイートポテトが。凍っているので、溶けていくとやわらかいアイスのような食感です。濃厚なお芋の味が楽しめますよ。
※3月からGWの繁忙期は食器など提供スタイルや料金が異なる場合があります。
ひたち海浜公園の花を楽しむには春がおすすめです。2月中旬から鮮やかな黄色の早咲きスイセンや梅が咲き始め、海浜公園のフラワーリレーがスタート。入れ替わるように3月下旬から4月中旬は、スイセンガーデンに約100万本、230品種のスイセンが咲き誇ります。
色とりどりのチューリップを見るなら「たまごの森フラワーガーデン」へ。松林の根元には約26万本、270品種のカラフルなチューリップが植えられています。木漏れ日の中でキラキラ輝く色彩豊かなチューリップは、心がワクワクする光景です。
「みはらしの丘」の手前にあるのが、江戸時代に建てられた茨城県内の古民家を移築した「みはらしの里」。この日本の原風景の前には菜の花の花畑が広がっています。見ごろは4月中旬から下旬で、約66万本の菜の花が辺り一面を黄色に染め上げます。夏はひまわり、秋にはそばの花など、タイムスリップしたような懐かしい風景が楽しめますよ。
4月中旬から下旬は、「みはらしの丘」のネモフィラと、「みはらしの里」の菜の花が同時期に近くで見られるので、青と黄色の色鮮やかな花に包まれる贅沢な春を満喫できます。
「国営ひたち海浜公園」には四季折々の花が咲くフラワーガーデンをはじめ、大観覧車など多彩なアトラクションがそろうプレジャーガーデンエリア、バーベキュー広場やアスレチック広場、カフェやショップなど1日楽しめるスポットが充実しています。
春の花が咲き誇るエリアへは、西口・翼のゲートからの入場がおすすめです。入るとすぐに涼しげな噴水がある大きな西池が見えます。手前にある円形の「水のステージ」では、夏には大規模な音楽フェスが開催されていたそう。2024年5月には「吹奏楽fes.2024」や「HULA FESTIVAL 2024 ひたちなかフラフェスティバル」が開催されます。
今春、ネモフィラをモチーフにした新マスコットキャラクターも誕生しました。ネモフィラの和名「瑠璃唐草」から名付けた青色の「ルリィ」と、英名「ベイビーブルーアイズ」から名付けた白色の「アイシィ」です。かわいいグッズも販売しているのでチェックしてみましょう。
美しい花々の競演とネモフィラの限定スイーツを目当てに、春の甘い花の香りが漂う「国営ひたち海浜公園」に出かけてみませんか。