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【九谷焼編①】石川県能美市の「ギャラリー結」でかわいい九谷焼を探します

  • 2021年6月23日
  • ことりっぷ


日本を代表する伝統工芸「九谷焼」の有名産地のひとつ、石川県能美市へ。一口に九谷焼と言っても、さまざまな様式や技法があり、産地を訪れてみれば間口の広さに「これも九谷焼!?」と驚くことでしょう。今回は九谷陶芸村のなかにある「ギャラリー結」を紹介します。ギャラリー結では積極的に若手作家の作品を扱っていて、ふだん使いにぴったりな、かわいい九谷焼と出会えます。
石川県南部地方(金沢市・小松市・加賀市・能美市)で生産されている色絵磁器を「九谷焼」と呼びます。緑・黄・赤・紫・紺青の五彩を用いて、華やかで緻密な上絵付をする「九谷五彩」は九谷焼を代表する技法。ほかにも青手や赤絵細描・金襴手、染付など360年の長い歴史のなかで育まれたさまざまな伝統技法が伝えられています。
現在では、伝統技術を源流に新しい感覚のうつわを生み出す作家も多く、さまざまな作風と出会えるのが九谷焼の面白さ。360年の歴史のなかで、新しい表現が次々と生み出されてきた「革新的なものづくり」こそが九谷焼の特長だと言えます。
ギャラリー結があるのは、九谷陶芸村のなか。「能美市九谷焼美術館」や「浅蔵五十吉記念館」や九谷焼の体験施設も村内にあり、九谷焼を知るためには必ず訪れてほしいスポットです。
九谷焼を販売する店が軒を連ねる九谷陶芸村のなかでも、著名作家から若手の作品まで、幅広くそろえているのがギャラリー結の特長。普段づかいしたくなるうつわも多く、作品には作家さんのプロフィールが添えられて、丁寧に紹介されています。
食卓に華を添える藍色のうつわ。石川県能美市でうつわを作る樋山真弓さんのうつわは、九谷焼の技法のひとつ「染付」という技法で描かれています。白い素地と青の対比が美しく、手描きならではの青の濃淡を駆使することで、手作りならではの風合いを生み出しています。藍の濃淡が赤や緑など野菜の色合いをくっきりと引き立てて映えるため、ついつい出番が増える一枚になることでしょう。
鮮やかな色絵のうつわを手がける赤地径(あかじけい)さん。豆皿や箸置きは小さくても愛らしい絵付けが凝縮されており、眺めているといくつも持ち帰りたくなります。
九谷五彩の絵具は、色を描くときは未発色なのですが、窯で焼き上げることで絵具が溶けて、まるでガラスのような質感と透明感が生まれます。赤地さんのなめらかな筆づかいも魅力で、とくにユーモラスでかわいらしい絵柄の箸置き(各880円)はおみやげにもおすすめです。
福は来るものではなく、あるもの。暮らしの中の小さな福を見つけて「福々絵付」として作品を生み出す稲葉カヨさんの作品は独特の世界観があります。
石川県加賀市や京都での修行を経て、現在は京都府綾部市の里山で自給自足の生活をしながら絵付けの仕事をされている稲葉カヨさん。自然や人から恵みをいただく暮らしのなかで、小さな豆皿に福を込めた個性的なうつわを生み出しています。
金沢を拠点に絵付をしている香田昌恵(こうだまさえ)さん。しっとりとしたマットな釉薬の質感に映える、やさしいタッチの絵柄が描かれています。写真のシリーズは、達磨や鯛など吉祥紋を描いた「えんぎもの小皿」。伝統的な九谷焼でも吉祥紋はよく描かれ、代表的なものでは、鶴・亀・松竹梅・牡丹などがあります。おめでたい柄で飾りつけ、食卓に和やかなムードを生み出してきたうつわの役割。香田さんのうつわは皿のかたちや構図も特徴的で、並べてみるとかわいらしさもひとしおです。
ギャラリー結には広々としたカフェも併設。こちらでは、取り扱っている作家のうつわで飲みものが楽しめるうれしいサービスがあります。美術館や体験館など、見るべき施設がたくさんある九谷陶芸村ですが、近くでお茶できるところが少ないので、こちらのカフェは知っておくと重宝します。ガラス張りでたっぷり日差しが入る心地いいスペースで、飲み物のほかにもベーグルなどの軽食もあります。
手描きのうつわには、手仕事だからこそ生まれる自然なゆらぎがあり、季節の素材とも相性がいい気がします。本当に好きなうつわで食卓を飾ると、気分もあがります。ギャラリー結で、ぜひお気に入りを見つけてくださいね。

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