若者の職業訓練の場として運営されるLiberty's Kitchenを見学
ナイジェリアのマルクさんとアメリカキャンプ協会会長のティシャさん。マルクさんは若者のためのキャンプづくりを進めています。
毎年2月のはじめに、アメリカキャンプ協会の年次大会が行われます。キャンプがとても盛んな国ですから、毎年の大会も盛大で、ニューオリンズで行われた今年の大会にも1,000人ほどの人が集まりました。そして、ロシアに中国、南アフリカ、ナイジェリアなどなど、国外からの参加者も数十名いて、日本からも5名が参加しました。
アメリカ国内向けの大会に、世界中の人が集うのはどうしてなのだろうとおもいます。
この会議に出ることで得られる“直接的な”利益は、必ずしも大きいわけではありません。キャンプはその地域の社会状況や文化の影響を大きく受けるものですから、そこで得た情報をそのまま自分の国のキャンプに反映させることはできないのです。
それでも、国外からの参加者たちは、ある種の満足感をたっぷり抱いて帰国します。
持ち帰るものは、たとえば「希望」だったりします。「希望を持ち帰る」だなんて、ずいぶん感傷的だなぁと自分でもおもうのですが、いつも「なにかができそうだ」という気分になって帰国します。
国外の参加者を対象としたツアーでは、周辺のキャンプ場や困難な状況にある若者の支援を行う施設などを見学しました。キャンプが果たしうる役割の幅広さに改めて気付かされます。
基調講演や分科会では、日本ではなかなか聞くことのできない希望に満ちた強い言葉を耳にします。英語をそれほど理解できないことも手伝って、「キャンプはすごい活動だ!」とすなおにおもってしまいます。
そして、キャンプを通じて若者の未来を少しでも明るくしようという、善意が服を着ているような人たちに出会い、話を聴いて、「あぁ、こんな活動ができたらなぁ」ともおもいます。
この希望は、幻想にすぎないのかもしれません。それでも何か変化を起こすために、たとえ多少の勘違いが含まれていても、希望は必要です。「帰国したら、こんなことをやってみよう」、そんなふうに夢を描く場として、この大会は機能しているのです。