「地方創生」 詳細解説

読み:
ちほうそうせい
英名:
Local Creation

2014年の日本の総人口は1億2708万人で、高齢化率は26%となった。このまま進むと2050年には総人口が1億人を割り、高齢化率は38.8%に達する。一方、2014年の出生率は1.42だ。このような少子高齢化の進展や、東京圏など都市部への人口流入と一極集中の動きは、地域経済の活性化を阻む要因となっている。地域における人口減少問題の克服と成長力の確保を図るために政府が打ち出したのが「地方創生」だ。

安倍内閣は2014年9月に内閣総理大臣を本部長とする「まち・ひと・しごと創生本部」を設置。同年11月に地方創生の理念や体制を定めた「まち・ひと・しごと創生法」と、地方自治体への国の支援について定めた改正地域再生法が成立した。翌12月には、将来の方向性を提示した「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」(長期ビジョン)と、その実現に向けて今後5カ年の目標や具体的な施策を提示した「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(総合戦略)が閣議決定された。

総合戦略は、2020年までの5年間で地方での若者雇用を30万人分創出することや、地方移住や企業の地方立地の促進などの施策を掲げている。環境関連では、分散型エネルギーの推進を図るため、バイオマスなどの活用による農林水産業の6次産業化や、地域のエネルギーインフラの整備を進める。

2015年6月には、本社機能を地方に移転した企業への税制優遇措置などを盛り込んだ改正地域再生法と、農地を住宅地に転用する時の許可権限をはじめとして、都道府県から指定都市などへの事務・権限の移譲を柱とする第5次地方分権一括法が成立した。また、地方創生の基本方針を示した「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」も同月に閣議決定された。

基本方針は2015年を「地方創生元年」と位置づけ、アベノミクスを地域へ波及させ、地方創生を深化させるための政策を提示している。企業や産業の「稼ぐ力」の向上、観光産業の振興、農林水産業の成長産業化、プロフェッショナル人材の確保などが含まれている。再生可能エネルギーの普及や分散型エネルギーも推進する。また、地方への新しいひとの流れをつくる「日本版CCRC構想」の推進、出産・子育て支援、集落生活圏の維持、地域医療介護提供体制の整備などにも力を入れる。

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