A: 家庭や事業所などから出るゴミを種類別に分けて排出するゴミ分別を進める上で、自治体の頭を悩ませているのが、どのゴミをどう分別排出するかを住民に徹底することだ。容器包装に該当するかどうか、金属とプラスチックの複合製品の場合はどうかなど、分別に悩むものが多い。このため、多くの自治体では、ゴミの分別方法が一目でわかるポスターを配ったり、ゴミの分別マニュアルを冊子にして配布したり、インターネット上でゴミの分別方法を広報したりしている。たとえば京都市は、家庭ゴミ有料指定袋導入に先立ち、2006年9月に「京(みやこ)のごみ減量事典」を作成。50音別に786種類の品目について、収集区分、出し方のポイントを掲載している。たとえば「レトルトパック」の項目では、収集区分は「家庭ゴミ」「プラスチック製容器包装分別」(2007年10月から回収開始)、出し方のポイントは、「汚れは洗った状態でプラへ。汚れが取れないものは家庭へ」となっている。ゴミ減量のアイディアや、リサイクルなどを支援する市内店舗も掲載されている。また、札幌市での「ごみ分別辞典」では、インターネット上で約1100種類が50音別に検索できる。たとえば「カイロ」だったら、「カ」をクリック。使い捨てカイロは燃やせないゴミ、カイロの袋はプラスチックというふうに、アイコンで表示されている。
A: ゴミ分別は、ゴミを種類別に分けて排出することだ。ゴミの最終処理場が逼迫した名古屋市では、1999年に「ごみ非常事態」を宣言し、ゴミ減量と資源化に徹底的に取り組んでいる。2000年に可燃ゴミ、不燃ゴミ、スプレー缶類、粗大ゴミ、資源ゴミ(空きびん、空き缶、紙パック、紙製容器包装、プラスチック製容器包装、ペットボトル)という分別を開始した結果、1998年に102万2000tだったゴミ排出量が2000年には78万7000tにまで激減した。2004年3月からは、一部の地域で家庭の生ゴミを可燃ゴミとは別に収集し、民間処理施設でたい肥化する試みをスタートさせている。また、熊本県の水俣市でも、ビンをリターナブルビンと雑ビンにわけ、分別後の雑ビンを透明、水色、茶色、緑色、黒色に分別するなど、22種類もの分別を行っており、多くの見学者がその試みを見学に訪れている。さらに細かく分別している自治体もある。2003年9月に、2020年のゴミゼロ(ゼロ・ウェイスト)宣言を打ち出した徳島県上勝町では、ゴミを34種類に分けており、2004年度のリサイクル率約80%を達成している。