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「ユネスコエコパーク」 詳細解説

読み:
ゆねすこえこぱーく
英名:
Biosphere Reserves

ユネスコエコパークは、国際連合のユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が1976年に開始した地域登録事業で、正式名称を「生物圏保存地域」という。ユネスコの自然科学セクターが進めている、「人間と生物圏(MAB)」計画の一環として実施されている。生態系の保全と持続可能な利活用の調和が最大の目的だ。同じくユネスコによる登録制度である世界自然遺産が、手つかずの自然を守ることを目的としているのに対して、自然と人間社会の共生に重点を置いている点が特長だ。

世界におけるユネスコエコパークの登録件数は、2013年5月現在で117カ国・621件となっていて、日本からは5件が登録されている。1980年登録の志賀高原、白山、大台ヶ原・大峰山、屋久島と、2012年に登録された宮崎県にある「綾」の5カ所だ。綾は、国内最大規模の照葉樹林の保護と復元、そして森林環境教育や有機農業、グリーンツーリズム、森林セラピーの推進などの取り組みが高く評価されて登録に至った。

登録基準は、1995年にスペインで開かれた第2回世界生物圏保存地域会議で示された「セビリア戦略」に含まれる、「生物圏保存地域世界ネットワーク定款」により定められている。登録されるには、定款が定める基準を満たす必要がある。豊かな生態系が保全されているか、地域主導の活動が行われているか、資源の持続可能な利用や自然保護との調和が取れているか、継続的な活動を行うための組織や計画があるかなどが主な要件だ。また、定義や、保全、経済と社会の発展、学術的研究支援という3大機能などが示されている。

ユネスコエコパークは、核心地域、緩衝地域、移行地域の3地域に分けられる。核心地域は、多くの動植物が生育でき、法令により厳しく保護され、長期的に保全されている地域だ。緩衝地域は、核心地域の周囲または隣接する地域で、教育、研修、森林セラピー、エコツーリズムなど、自然保護と持続可能な利活用の普及や、人材育成などの場となる。移行地域は、人間が居住して生活を営むことで、自然と人間社会の共生を目指すモデル地域としての役割を果たす。

ユネスコエコパークは、ESD(持続可能な開発のための教育)を実践する場として位置づけられている。また、ユネスコ憲章の理念を実現することを目指す、「ユネスコスクール」との連携も期待されている。

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