A: 2012年は、金星にかかわる3つの珍しい天文現象を見ることができるため、「トリプル金」の年として話題を呼んでいる。まず、5月21日に国内では25年ぶりとなる金環食が起こる。九州、四国、本州の関東付近にかけての「中心食帯」という帯状の地域で観測できる。東京で金環食が観測されるのは173年ぶりのことだ。また、6月6日には、太陽の表面を金星が黒い点となって横切る「太陽面通過」(日面経過)現象が起こる。今回を逃すと次回は2117年という貴重な機会だ。さらに、8月14日には月が金星の前を横切って隠す「金星食」が起こる。2012年にイギリスで開催されるロンドンオリンピックへの期待が、このブームに拍車をかけている。
A: 金環食や部分日食などの日食は、対象となる地域の空で観測することができ、見るときには専用の日食グラスや投影板、ピンホールなどを利用する。太陽は可視光線だけでなくとても強い光と熱を放っているため、肉眼で見ると数秒で目を痛めてしまうためだ。色付きの下敷きや樹脂性の板、サングラス、ガラス板などを使って見るのも目によくない。双眼鏡や望遠鏡、カメラのファインダー越しに見ると、最悪の場合、失明することもあるので絶対に行ってはいけない。