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「世界遺産」 詳細解説

読み:
せかいいさん
英名:
The World Heritage

世界には、人類にとって共通の財産として未来に引き継いでいくべき豊かな自然環境や、歴史を伝える文化財が各地にある。1972年のユネスコ総会で「世界遺産条約」が採択され、このような人類の遺産を「世界遺産リスト」として登録し、保護していくことが定められた。世界遺産には、優れた価値を持つ地形や景観、生物の多様性の保全にとって重要な自然の生育地などの「自然遺産」と、普遍的な価値をもつ建築物や遺跡などの「文化遺産」、両方の特長をもつ「複合遺産」の区分がある。

どこを世界遺産にするか決めるのが、同条約に基づいて組織された世界遺産委員会(World Heritage Committee)だ。同委員会は、締約国の中から選ばれた21カ国で構成され、任期は6年。2年に1回改選される。原則として毎年1回開催され、新たに世界遺産に登録される案件などを話し合う。2014年12月現在、世界遺産リストに登録された文化遺産は779、自然遺産は197、 複合遺産は31で、合わせて1007件にのぼる(ユネスコ資料による)。また、ユネスコにある世界遺産センターは、世界遺産条約に基づいて文化遺産や自然遺産を守るための国際協力の枠組みをつくり、世界各国に同条約への締結や世界遺産の保護を呼びかけている。

代表的な世界遺産としては、自然遺産では米国のイエローストーン国立公園やオーストラリアのグレート・バリア・リーフ、文化遺産ではエジプトのギザのピラミッド、アテネのアクロポリス、イタリアのピサの斜塔、複合遺産では中国中央部の峨眉山(がびさん)などがある。とくに、文化遺産のとらえ方は幅広く、フィリピンにある海抜1000m〜2000mの棚田なども含まれる。世界文化遺産に推薦された対象に対して、審査や現地調査を行うのが、専門家で構成されるICOMOS(イコモス:国際記念物遺跡会議)だ。

日本には世界自然遺産として、1993年に登録された屋久島のほか、白神山地知床小笠原諸島がある。また、世界文化遺産として、法隆寺、姫路城、古都京都の文化財、白川郷、原爆ドーム、厳島神社、古都奈良の文化財、日光の社寺、琉球王国のグスク及び関連資産群、熊野古道石見銀山、平泉、富士山、富岡製糸場、明治日本の産業革命遺産などがある。ただし、これら18件のうち複合遺産として選ばれたものはない。一方、ユネスコは芸能や伝統工芸技術などの形のない文化を「無形文化遺産」として登録しており、2013年には日本の「和食」が無形文化遺産に登録された。

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