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「有機JAS」 詳細解説

読み:
ゆうきじゃす
英名:
Organic JAS System

日本農林規格(JAS規格)は、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(JAS法)に基づく制度だ。当初は、農林水産大臣が定めるJAS規格による格付に合格した食品にJASマークを付けて品質を保証する「JAS規格制度」として運用されていた。その後、JAS法に基づき原材料や原産地などの品質表示を義務づける「品質表示基準制度」が創設された。JAS規格のうち、農薬や化学肥料を使わない有機農産物であると認証するのが有機JAS規格で、2013年3月末現在で有機農産物、有機加工食品、有機飼料、有機畜産物の4品目・4規格が定められている。

有機JASの仕組みができる以前は、1990年代に農水省が策定したガイドラインがあったものの、有機農産物についてのいい加減な表示が横行していた。その後、2000年から順次施行された改正JAS法により有機JAS制度が開始され、表示の適正化が図られた。有機JASの基準を満たす農産物、加工食品、飼料、畜産物などに付けられるのが、有機JASマークだ。太陽・雲・植物をイメージしたデザインで、農薬や化学肥料などの化学物質に頼らずに自然の力で生産された食品を表している。

具体的には、化学合成された農薬・肥料・土壌改良資材を使わず、種まきや植え付け前2年以上経過し、堆肥などの有機質肥料による土づくりを行った農地や農園で収穫された農産物が、有機農産物と認められる。果樹など多年生作物の場合は、最初の収穫前3年以上経過していることが条件だ。栽培期間中も禁止された農薬や化学肥料を使用してはならず、遺伝子組み換え技術も使用してはならない。国内における有機JASほ場の面積は、2012年4月1日現在で約456万1000haだ。

このように厳しい生産基準を満たして生産された有機農産物に有機JASマークを表示するには、農水相が登録した登録認定機関から認定事業者として認定される必要がある。登録認定機関は、申請者が有機JASに合った生産を行っているかどうか実地検査を含めて審査し、基準を満たしていれば認定を行う。認定証を受けた事業者は生産行程管理者として有機農産物にJASマークを表示することが許される。ただし、認定取得後も基準に適合している状態を保つ必要がある。

有機JASマークのない農産物などに「有機」や「オーガニック」などの名称を表示したり、紛らわしい表示を付けたりすることは法律で禁じられている。また、認定取得後に不適合が判明し、改善されない場合には認定が取り消されることもある。似たような名前の制度に有機農業推進法がある。こちらは、化学肥料や農薬、遺伝子組み換え技術を利用しない有機農業を推進するため、2006年に施行された法律だ。

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