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「ホルムアルデヒド」 詳細解説

読み:
ほるむあるでひど
英名:
Formaldehyde

常温では無色な可燃性の刺激性気体で、合成樹脂の原料や界面活性剤、消毒剤、防腐剤など、幅広い用途がある。40%前後の水溶液はホルマリンと呼ばれる。大気汚染防止法の特定物質であるとともに有害大気汚染物質であり、環境省の測定マニュアルに基づく大気環境モニタリングが全国で定期的に行われている。また、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化管法)」の第1種指定化学物質として、PRTR制度の対象にもなっている。

ホルムアルデヒドは、住宅内に発散した化学物質などによって健康障害を引き起こす「シックハウス症候群」の原因物質として問題となった。このため、国土交通省は2003年に建築基準法などを改正して、シックハウス対策を制度化した。ホルムアルデヒドを発散する建材の規制や、住宅設備・建具などの発散等級に関する表示ガイドラインの策定などの対策を講じた。また、2007年に特定化学物質障害予防規則などの一部が改正され、ホルムアルデヒドを製造したり、取り扱ったりする作業場に、作業環境測定を行うことが義務づけられた。

ホルムアルデヒドを使用した家具がシックハウス症候群を引き起こすこともある。全国消費生活情報ネットワーク・システム(PIO-NET)には、家具から発生する化学物質や臭気などに関する相談が、2003年からの約5年間で1000件以上寄せられたという。こうした健康被害を防止するため、家具の業界団体は、低ホルムアルデヒド材料を使用している製品を対象として自主基準に基づくマーク表示を行っている。

ホルムアルデヒドは、環境基本法で定める水質汚濁に関する環境基準に関して、クロロホルム、フェノールとともに2003年から要監視項目となっている。水生生物やその餌となる生物の生息や生育環境の保全に関係しているためで、公共用水域における検出状況などからみて、環境基準の設定は行われずに指針値が設定された経緯がある。一方、水道法に基づく水質基準に関する省令で定める水道水質基準は、1リットルあたり0.08mg以下となっている。2012年5月に、関東の4都県にある浄水場でこの基準値を超えるホルムアルデヒドが検出され、取水停止などの措置がとられた。

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