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「復興庁」 詳細解説

読み:
ふっこうちょう
英名:
National Recovery Administration

2011年12月に復興庁設置法が成立し、2012年3月までに内閣の下に復興庁を置くことが決まった。復興庁の任務は、2011年3月に発生した東日本大震災からの復興を推進するため、東日本大震災復興基本法の理念に基づき、復興に関する内閣の事務を助けることと、復興に関する行政事務の遂行を図ることなどだ。政府の復興対策本部が担当していた震災復興事務の増加に対応するとともに、ワンストップでの処理を可能とするため、復興対策本部を大幅に拡充して体制の整備を図る。

復興庁の初年度予算は総額約2兆円で、震災復興交付金、震災復興調整費、福島避難解除区域生活環境整備事業費、復興特区支援利子補給金などに加えて、1兆7430億円に上る復興関係事業費が一括計上される。その主な内訳は、公共事業に約5090億円、原子力災害復興に約4770億円、災害廃棄物処理に約3440億円、被災中小企業に対する債務保証と低利融資などに約1210億円となっている。このように、従来は復興対策本部が担ってきた避難者や自治体への支援、インフラの整備、産業振興、原子力災害からの復興などの業務を、復興庁が引き継ぐ。職員数は、併任の者を含めて約250人となる予定だ。

復興庁の事務には、震災復興に関する施策の企画・立案・総合調整などの内閣補助事務と、分担管理事務がある。分担管理事務には、震災復興に関して行政部署が行う事業の統括・監理や、地方自治体から寄せられる要望の受理と対応方針の策定、事業の改善や推進などがある。このほかに、震災復興に必要な予算の要求と確保、実施計画の策定、事業の執行や予算配分、自治体への情報提供と助言、東日本大震災復興特別区域法と株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法の施行事務なども含まれる。また、復興特別区域制度も復興庁が中心となって実施される。

組織面では、復興庁の長に内閣総理大臣が当たるほか、総理を助けて事務を統括する復興大臣と、副大臣2人、政務官などが置かれる。また、地方機関となる復興局が岩手、宮城、福島の各県に設置され、震災復興に関する事業の推進に関して、関係行政機関や自治体職員、民間事業者などとの協議や調整を行うのに必要な事務の一部を担当する。それ以外の県にも必要に応じて支所が置かれる場合がある。さらに、総理を議長、復興大臣を副議長として全国務大臣などで構成される復興推進会議と、関係地方自治体の長や有識者からなる復興推進委員会が設置される。

復興庁基本法には、復興庁を2021(平成33)年3月31日、すなわち2020年度中に廃止するという規定が盛り込まれている。政府は、復興庁が廃止されるまでの間、国会に毎年、震災復興の状況を報告することになっている。また、設置法が施行されてから3年後に、政府は同法の施行状況について検討を加え、必要な措置を講じるとする見直し規定もある。

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