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「硫化水素」 Q&A解説

読み:
りゅうかすいそ
英名:
Hydrogen sulfide
  • Q: 硫化水素による事故を防ぐには?
    硫化水素による事故や災害が、全国各地で発生している。どのような対策をとればよいのだろうか?

    A: 硫黄と水素からなる化合物の硫化水素は、空気よりやや重く、無色でくさった卵のような臭いがする。濃度が高くなると人の健康に被害を与え、死に至る場合もあり、各地で事故や災害が起きている。国土交通省の下水道部がまとめた「有害物質等流入事故対応マニュアル」には、下水道施設内での作業における硫化水素などの有害物質による事故を防ぐための対策がまとめられている。下水道では、有機酸を栄養源とする下水中の細菌が、硫酸イオンを還元して硫化水素を発生させるためだ。それによると、下水道の管きょ内では空気中の酸素濃度を18%以上に保ち、硫化水素の濃度を10ppm以下に保たなくてはならない。作業員の安全を図るだけでなく、マンホールを通じて一般環境大気中に排出される有害物質による住民の健康被害を防ぐため、警察や消防との連絡や適切な避難誘導なども必要だ。また、事業場における硫化水素の検出には、有毒ガス検知器が使われる。

  • Q: 硫化水素は自然界にもあるの?
    硫化水素は、人間の社会だけでなく、自然界にも存在するのだろうか?

    A: 硫化水素(H2S)は、硫黄と水素からできた化合物だ。単純な組成だが毒性が強く、廃棄物処理や下水道事業など、さまざまな現場で事故や災害が起きている。硫化水素は自然界にも存在する。たとえば、三宅島などの火山地帯ではたくさんの火山ガスが連続して噴出しており、その主成分は二酸化硫黄(SO2)や硫化水素だ。こうした場所には立ち入ってはならず、調査や救助活動などで行く場合には防毒マスクやガス検知器、空気呼吸器などの携行が必要だ。高濃度の場合、人間を死に至らしめることもある硫化水素だが、その硫化水素を糧にしている生物もいる。水深1000m規模の海底にいるハオリムシやシロウリガイなどは、硫化水素やメタンを取り込んで成長する不思議な生物だ。

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