A: IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が2007年に公表した第4次評価報告書(統合報告書)は、世界全体の平均気温が2005年までの100年間で0.74度上昇し、最も排出量の多い社会シナリオでは100年後に4.0度上昇すると予測している。報告書は、地球温暖化が進むことで、次のような現象が起きるという長期的な展望を示している。1) 極地や山岳社会、生態系など、特異で危機にさらされているシステムへのリスクの増加、2) 干ばつ、熱波、洪水などの極端な気象現象のリスクの増加、3) 地域的、社会的な弱者に大きな影響や脆弱性の顕在化、4) 地球温暖化の進行に伴う被害と対策コストの増加、5) 海面水位上昇や氷床の減少加速など大規模な変動リスクの増加。また、感染症のリスクも増えるなど、社会への影響は深刻だ。
A: IPCCが2007年にまとめた第4次評価報告書は、世界全体の平均気温が2005年までの100年間で0.74度上昇し、最悪で100年後に4.0度上昇すると予測している。IPCCの報告に基づいて気象庁が行った予測によると、日本では100年後に現在と比べて気温が年平均で約2度から3度上昇する。この傾向は高緯度地域で強く、北海道の一部では4度程度上がる。また、冬の温度上昇の方が夏より大きい。さらに、最低気温が25度以上の「熱帯夜」や、最高気温が30度以上の「真夏日」の日数が全国的に増え、九州南部や南西諸島では年間40日以上増えるところもある。こうした気温の上昇に伴い、洪水や土砂災害、高潮災害などの自然災害がふえるほか、農作物の生産や、生態系への影響が予測されている。これまで日本で発生しなかった感染症が蔓延する可能性もある。