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「排出量取引」 Q&A解説

読み:
はいしゅつりょうとりひき
英名:
Emission Trading
  • Q: 排出量取引とCDMなどとの違いは?
    京都メカニズムには、排出量取引、共同実施、クリーン開発メカニズムの3つがある。違いは?

    A: 排出量取引と共同実施(JI)やクリーン開発メカニズム(CDM)の最大の違いは、排出量取引は、削減効果を分け合ったり、自国の削減目標に組み込んだりするのではなく、その削減分を市場原理にのっとって金銭で取引する経済活動である点だ。共同実施は、先進国が共同で省エネプロジェクトなどを実施し、温室効果ガスの削減に成功した場合、その排出量に基づいて発行されたクレジットをプロジェクトに参加した者で分け合うシステムだ。数値目標が設定されている先進国間での排出枠の取得・移転になるため、先進国全体としての総排出枠の量は変わらない。クリーン開発メカニズムは、先進国と発展途上国が共同で事業を実施し、温室効果ガスの削減分を投資国(先進国)が、自国の削減目標達成に組み込むことができる。先進国を投資国、発展途上国をホスト国と呼ぶ。第三者認証機関が、CDMプロジェクトがホスト国の「持続可能な開発」に役立つかどうかや、適正に温室効果ガスを削減するかなど、その的確性を審査する。

  • Q: 諸外国の排出量取引の現状は?
    アメリカ、EU、ロシアの排出量取引はどのような状況にあるのだろうか?

    A: 排出量取引は、地球温暖化の原因とされるCO2などの排出を減らすため、CO2の排出超過分や不足分を市場で取引する仕組みだ。排出量取引の発想は、1990年にアメリカで大気中の硫黄酸化物の削減をめざして、排出権を設定して取引する仕組みが実施されたことにはじまる。アメリカは京都議定書への批准を拒否しているため、京都メカニズムの枠内での排出量取引には参加していないが、州レベルで試行する動きがある。一方、EU諸国はイギリスを筆頭に京都議定書の排出量取引に積極的な姿勢をみせ、2005年からEU域内での排出量取引(EU ETS)を開始した。世界で初めてとなるCO2排出の国際的な取引システムだ。約束期間は第1段階が2005年から2007年まで、第2段階が京都議定書の約定期間である2008年から2012年の5年間だ。EUの排出量取引は、域内のCO2排出事業者に対して排出量の上限を排出枠として設定し、規定量を上回った事業所と下回った事業所との間で取引ができるキャップ・アンド・トレードという仕組みだ。また、ロシアは、京都議定書の削減目標が0%、すなわち現状維持であるが、自由経済移行後、景気の低迷などによって結果的にCO2が削減された。いずれにしても、国際的な排出量取引はスタートしたばかりである。

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