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「人口問題」 詳細解説

読み:
じんこうもんだい
英名:
The Population Problem

「世界人口白書」をまとめている国連人口基金(UNFPA)によると、19世紀前半に10億人だった世界の人口は、1960年頃に30億人、1987年には50億人に達し、2011年11月に70億人を突破した。世界の人口は毎年約7800 万人のペースで増加しており、2050年には93億人に達すると予想されている。このような20世紀後半以降の急激な人口増加にはさまざまな理由がある。その主なものとして、栄養の向上、医療技術の進歩による乳幼児死亡率の低下、農業生産技術の発達による食糧生産の増加などがあげられている。

「世界人口白書2011」によれば、アジア、アフリカ地域の人口増加が著しく、とくにアフリカの人口は2011年の10億人から2100年には36億人へと増加し、アジアを追い上げると予測されている。このようにアジアやアフリカなどの開発途上国における爆発的な人口の増加は、貧困増や食糧不足などの深刻な問題を引き起こす。アジア地域では今後も経済成長が続くと推測されているが、一人当たりのGNPは依然低い状態であり、貧困問題は解決されないまま残ると考えられる。

人口問題に関する国際的な取り組みは、1994年にエジプトのカイロで開かれた「国際人口開発会議(カイロ会議)」を機に活発化した。カイロ会議では、人口と開発に関する問題の中心に個人と人権があることが合意されたほか、性と生殖に関する健康/権利や、人口問題と開発との関係性など、新たな考え方が認識された。その考え方は、2000年の国連総会で採択された「ミレニアム開発目標」(MDGs)にも影響を与えている。

2011年には、UNFPAが中心となって「70億人の世界×70億人のアクション」キャンペーンを展開した。世界に生きるあらゆる人が健康な生活を送り、平等な機会を享受できるように、一人ひとりができることを考え、アクションを起こすことを呼びかけるものだ。同キャンペーンは現代の世界が抱える課題として、貧困と不平等、女性と少女、若者、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、環境、高齢化、都市化の7つをあげた。

一方、途上国の人口増加によって、食糧確保のための耕地面積の拡大、牧畜の規模の増大が進み、森林破壊砂漠化などの環境問題につながることが憂慮されている。地域間における水の争奪戦も深刻だ。途上国の人口増加と貧困問題、環境問題などに対して、各国のNGOなどが食糧援助、環境保護活動をはじめ、産む性である女性に対する教育などに積極的にアプローチしている。

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