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「ESD」 詳細解説

読み:
いーえすでぃー
英名:
Education for Sustainable Development

現在の世代が環境に配慮して開発や経済成長などの社会づくりを進めることで、将来の世代に良好な環境を引き継いでいこうという考え方が、持続可能な開発だ。1980年に、国連環境計画(UNEP)、世界自然保護連合(IUCN)、世界自然保護基金(WWF)が提出した「世界環境保全戦略」で示された。その後、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された「国連環境開発会議」(地球サミット)で、「環境と開発に関するリオ宣言」や、具体的な行動計画である「アジェンダ21」などが採択され、持続可能な開発を進めることの必要性が強く確認された。持続可能な開発を進めていくのに必要な教育を、「持続可能な開発のための教育」(ESD:Education for Sustainable Development)という。

ESDの対象は、環境だけでなく、開発や人権、平和、など非常に幅広い。また、それは小・中学校など学校教育の現場だけで進められるものではない。基礎教育はもちろん、高等教育や教員教育、環境教育、社員教育などの場でESDのプログラムが実施されることが重要だ。このため、国連は、2002年のヨハネスブルグサミット(持続可能な開発に関する世界首脳会議)で、2005年から2014年までを「持続可能な教育のための10年」(国連ESDの10年)とすることを宣言した。同宣言は日本の提案で実現したもので、UNESCO(国連教育科学文化機関)による活動の下、持続可能な開発の原則や価値観、実践を、教育や学習のあらゆる側面に導入することを目指している。

日本が2006年3月につくった「わが国における『ESDの10年』実施計画」では、ESDを「一人ひとりが、世界の人々や将来世代、また環境との関係性の中で生きていることを認識し、行動を変革するための教育」と定義。その目標を、「すべての人が質の高い教育の恩恵を享受し、また、持続可能な開発のために求められる原則、価値観及び行動が、あらゆる教育や学びの場に取り込まれ、環境、経済、社会の面において持続可能な将来が実現できるような行動の変革をもたらすこと」としている。その上で、先進国が取り組むべき分野として、1) 環境保全、2) 人権や平和などの社会的な課題、3) 貧困などの経済的課題、などをあげ、その中でも資源の過剰利用の抑制や環境保全を優先課題としている。一方、開発途上国が取り組むべき分野として、1) 貧困撲滅、2) 持続的成長、3) 個々人の生活水準と福祉の向上(保健衛生、基礎教育、人権、難民問題など)、4) 人間の安全保障の実現などをあげている。

わが国では前述の実施計画に基づき、ESDを実現していくための取り組みが、民・官さまざまな主体により各地で行われている。環境・教育関連NGONPOの横断的組織として2003年に発足した「持続可能な開発のための教育の10年」推進会議(ESD−J)は、国内の推進主体としてESDを市民側から普及している。また、社会教育に応用できる教材づくりなど、社会とのつながりを視野に入れたESD学習手法を検討、実践するESD学校教育研究会も立ち上がった。一方、国は、1) 普及啓発、2) 地域における実践、3) 高等教育機関における取り組みの3つをESDの初期段階の重点的事項とし、環境省がモデル事業などを行っている。具体的には、持続可能な地域づくりに向けた地域課題の解決をテーマとした、地域ぐるみのESDの実践を全国10地域で行っている。

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