「紺青」とも呼ばれる青色の顔料。1704年にプロシア(当時)のベルリンで初めて人工的に合成されたことからこの名がついた。分子の中心に金属や金属イオンがある化合物を金属錯体といい、金属イオンを有機配位子で架橋した金属錯体のことを配位高分子という。プルシアンブルーは、これら金属錯体や配位高分子と呼ばれる物質群のひとつで、内部にジャングルジムのようなすき間のある構造をしている。
プルシアンブルーは、この内部のすき間にセシウムを取り込む能力があると考えられている。また、海水のようにナトリウムイオンやカリウムイオンなど似たようなイオンが存在する環境でも、セシウムイオンを選択的に吸着する能力をもつ。このため、放射性物質である放射性セシウムを吸着する技術の開発が進められている。