地域で必要とされる電力を、小規模な発電所をいくつも設置してまかなう自立・分散型のエネルギー供給システム。「分散型電源」ともいう。大規模な発電所で電気をつくり、送電線によって利用場所に送る従来の集中型発電(集中型電源)に対してこう呼ばれる。利用場所の近くで少しずつ発電して供給する形態は、エネルギーの地産地消を実現するシステムとして期待されている。
分散型発電には、電気をつくる際に発生する熱まで利用するコージェネレーションがしやすく、送電や変電のロスが減らせるといった利点がある。また、太陽光発電や燃料電池、風力発電など再生可能エネルギーの普及につながり、地球温暖化防止の観点からも注目されている。電気自動車(EV)や燃料電池車などのエコカーと組み合わせたスマートグリッド対応のシステムも実用化されている。
経済産業省・資源エネルギー庁は、電力需給の逼迫が予想される地域において、自家発設備の新増設や増出力などを行う企業に対して設備導入や燃料購入にかかる経費を補助している。また、総務省は、経産省や農林水産省などと共同で、自治体の主導による分散型エネルギーインフラプロジェクトを推進している。