廃食油を原料にした石けん。廃食油と苛性ソーダを反応させて作る。リサイクル運動・水質浄化運動と結びつき、家庭や学校、自治体などで盛んに手づくりが行われてきた。しかし、近年になって石けんを手づくりすることの問題点が指摘され、今まで積極的に取り組んできた滋賀県でも方針を変更し、製造自粛を呼びかけている。製造過程で使用する苛性ソーダは劇薬であり、皮膚のただれや失明の危険がある。また、工業製品と違い、手づくりの場合は副産物であるグリセリンや過剰な苛性ソーダを取り除く工程がない上、ご飯やみかんの皮といった余分な有機物を加える製法が流通している。このため、こうした油脂分や有機物を排水中にそのまま流すことになってしまい、市販の石けんや合成洗剤を使用するよりも環境負荷が高くなることが問題視されている。