人の健康や生活環境を守るため、農薬取締法に基づき、農林水産大臣の登録を受けた農薬でなければ製造、加工、輸入させることができない制度。かつては販売段階で登録が行われていたが、無登録農薬の市場流通が問題となったことを受けて2002年に同法が改正され、農薬登録制度が見直された。登録にあたっては、農林水産大臣が申請者の提出した資料などに基づいて薬効、毒性、残留性などに関する検査を行う。その結果、基準に違反している場合には登録が保留される。
基準としては、申請書に虚偽の記載がある場合、農作物などに害がある場合、通常の危険防止対策を取ってもなお人畜に危険を及ぼすおそれがある場合、農作物などへの残留が原因となって人畜に被害が生ずるおそれがある場合、土壌への残留により農作物などの汚染が原因となって人畜に被害が生ずるおそれがある場合、水産動植物に著しい被害を生ずるおそれがある場合、水質汚濁が原因で人畜に被害が生ずるおそれがある場合、名称が不適切、薬効が著しく劣る場合、公定規格に適合しない場合などがある。
これらの基準のうち、農作物等への残留、土壌への残留、水産動植物、水質汚濁に関する「農薬登録保留基準」は、環境大臣が定める。