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「鉄くず」 とは

読み:
てつくず

不要となった鉄鋼製品や鉄スクラップのこと。代表的なものに、1) プレス後の廃車、2) 鉄筋、3) 橋げたなどの建築用鋼材、4) 家電製品などから回収した鉄分、5) スチール缶などがある。鉄くずには大きく分けて「市中スクラップ」と「自家発生スクラップ」とがあり、一般的には市中から発生する前者を指す。一方、後者は製鋼メーカーで製鋼や加工工程から出てくる鉄くずのことで、製鋼の工程で再利用が図られている。回収業者によって集められた鉄くずは、加工業者に運ばれて性質や需要先のニーズに応じて、圧縮やせん断、破砕加工などの工程を経て、電炉メーカーなどで主に建築用の鉄筋などに再生される。そのため、鉄鉱石と同様に製鉄原料といえるが、鉄スクラップを原料として生産された鉄鋼は、鉄鉱石から生産されたものよりも不純物の量が多いため品質が落ちる。

鉄くず相場は需要量と供給量の変動に左右される。2008年の世界同時不況前までは、中国などの新興国が積極的に鉄スクラップを輸入していたために価格は高騰した。しかし、景気の落ち込みによる建設需要の低迷や急激な円高などにより需要が激減して価格が大きく下落した。さらに、アルミニウムを大量に消費する自動車産業の低迷などが響き国内の需要も伸び悩み、大手製鉄メーカーが金属回収業者から鉄くずを買い取らないことで価格が下落。2008年7月に1kg当たり約67円まで上昇した鉄くずの価格は、2009年3月には同16円前後にまで落ち込んだ(社団法人日本鉄源協会調べ)。この価格暴落により、鉄くずのリサイクルは危機に瀕している。

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